扶養内で働きたい方にとって、「週何時間まで働けるのか」は非常に重要なポイントです。特に週20時間というラインが社会保険加入の分かれ目になっているという情報を目にすることも多いでしょう。この記事では、実際の制度の仕組みや注意点について具体例を交えながら解説します。
そもそも扶養とは?2種類の扶養制度の違い
「扶養」と一口に言っても、主に2つの制度があります。1つ目は健康保険の扶養で、2つ目は税制上の扶養です。
健康保険の扶養では年間収入130万円未満(または106万円未満の一定条件下)が目安になり、税制上の扶養では所得が48万円以下(給与収入ベースで103万円以下)であることが条件です。今回は特に健康保険に関する内容を中心に解説します。
週20時間の壁とは?社会保険加入の基準
2016年の法改正以降、従業員501人以上の企業に勤める場合、週の所定労働時間が20時間以上あると社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する必要がある場合があります。
具体的な加入条件は以下のとおりです。
- 週20時間以上勤務
- 月額賃金が8.8万円以上
- 継続して1年以上の雇用が見込まれる
- 学生ではない
つまり週20時間ピッタリでも他の条件を満たせば社会保険の加入対象になるのです。
扶養にとどまるには週何時間が目安か
社会保険の加入を避けて健康保険上の扶養に入りたい場合、週19時間以下の勤務に抑えるのが1つの目安になります。ただし、実際には労働時間だけでなく「年収」が扶養判定の中心となります。
また、雇用契約書に記載された「所定労働時間」や「勤務期間の見込み」も影響するため、週19時間でも継続雇用などがあれば加入を求められる可能性もあります。
企業規模や個別事情による違い
上記の社会保険加入要件は、従業員501人以上の企業が対象です。500人以下の企業では、労使合意がある企業に限り同様の条件が適用されますが、それ以外では原則として週30時間以上が社会保険加入の基準になります。
このため、勤務先の企業規模や就業形態に応じて判断が変わる点にも注意しましょう。
自分の状況を確認するためにすべきこと
まずは「勤務先が社会保険の適用事業所かどうか」を確認しましょう。そのうえで、労働契約書に記載された所定労働時間、収入見込みなどを把握します。
加えて、勤務先の総務・人事担当者に「扶養範囲で働きたいが可能か」などを事前に相談するのも賢い方法です。
まとめ:扶養を維持したいなら週19時間が一つの目安だが収入基準も重要
週20時間というラインは社会保険加入の目安の一つですが、加入条件は他にも収入や勤務期間など複数あります。扶養にとどまるためには、労働時間だけでなく年間収入や企業規模も含めて総合的に考える必要があります。
不明点がある場合は、勤務先の担当者や健康保険組合に相談するのが確実です。賢く制度を活用して、自分に合った働き方を見つけましょう。
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