傷病手当金の支給日数の計算方法とは?休職と就労が混在する場合の具体的な判断基準を解説

社会保険

病気やケガによって仕事を休まざるを得なくなったとき、経済的な支えとなるのが「傷病手当金」です。ですが、休職中に一部だけ出勤した場合や、断続的に休んだ場合の支給日数の計算は、少々複雑です。この記事では、傷病手当金の基本ルールと、休職と出勤が混ざったケースの支給対象日数の数え方について解説します。

傷病手当金の支給要件と待機期間の基本

傷病手当金は健康保険に加入している被保険者が、業務外の病気やケガで働けなくなった場合に支給される制度です。支給の前提として、以下の4要件を満たす必要があります。

  • 業務外の傷病で療養中であること
  • 仕事に就けない状態であること
  • 連続する3日間の待機期間があること
  • 給与が支払われていないこと

このうち「連続する3日間の待機期間」は、土日祝日など出勤予定がない日も含め、連続して3日間仕事に就けなかった日を意味します。待機が完了した4日目以降から、傷病手当金の支給対象となります。

出勤を挟んだ場合の支給日数の考え方

一度待機期間が完了すれば、以降は断続的に休んだ日も条件を満たせば支給対象になります。ただし、症状が治癒し、業務復帰したと判断される場合には、新たな待機期間が必要です。

例えば以下のケースを考えてみましょう。

  • 15日間連続で休む(待機3日含む)
  • その後4日間出勤
  • 再び2日間休む

この場合、最初の15日間のうち、12日間が支給対象となります(待機3日間除く)。さらに、後半の2日間の休職についても、症状の継続性や医師の意見によっては支給対象となる可能性があります。

ただし、4日間の就労が「十分に勤務可能な状態」と認定されると、新たに待機期間を設ける必要が出てくるため、支給されない場合もあります。

医師の意見書が判断のカギになる

断続的な休職や短期復帰のケースでは、傷病が継続していたか否かの判断は、医師の意見書(診断書)が重要な判断材料になります。

医師が「症状が継続していたが、体調の回復により短期間だけ就労できた」などの記載をしていると、継続していると見なされ、待機不要で後半の休職分も支給対象となる可能性が高くなります。

よくある誤解と注意点

  • 支給対象=休んだ日すべてではありません。待機期間や就労の有無により対象外日が生じます。
  • 就労の有無=自分の判断ではなく、医師の意見や会社の出勤実績が基準になります。
  • 短時間勤務や在宅勤務でも「就労」と判断されることがあるため、注意が必要です。

支給可否が不明な場合はどうすべきか?

ご自身のケースが複雑で支給されるか不安な場合は、まずは健康保険組合や協会けんぽの窓口に相談してみましょう。また、医師には経過を正確に記録してもらい、申請書にはその情報を添えることが支給判断に役立ちます。

また、会社の人事・労務担当者に事前に相談しておくことで、申請ミスや書類不備を防ぐことができます。

まとめ:支給の可否は症状の継続性と就労状況がカギ

傷病手当金の支給日数は、休職の長さだけでなく、「症状が継続していたか」「就労を挟んだか」によって変わります。出勤を挟んだケースでは、医師の診断が最も重要な判断材料となるため、診断書の記載内容を丁寧に確認することが大切です。

不明点があれば、保険者や医療機関、人事担当に相談しながら、適切な申請を進めましょう。

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