パートやアルバイトで働く方が社会保険の扶養に入っている場合、収入が一定基準を超えると扶養から外れる可能性があります。中でもよく耳にするのが「3ヶ月連続で10万8千円を超えると扶養から外れる」という話です。しかし、この「3ヶ月連続」の判定基準や収入のカウント方法については誤解も多くあります。
扶養から外れる収入基準とは?
社会保険の扶養において重要なのは、年間の収入が「130万円未満」であること(60歳以上や障害者の場合は180万円未満)です。
ただし、月収ベースで判断される場合もあり、その際の目安として使われるのが「10万8千円」という金額です。これは、130万円を12ヶ月で割った金額(およそ10万8千円)に相当します。
「3ヶ月連続で10万8千円超」の意味と判定タイミング
「3ヶ月連続で10万8千円超」というのは、主に健康保険組合が将来的な継続性のある収入と判断するための目安として用いることがあります。これは必ずしも法律で定められているわけではなく、健康保険組合の判断基準によります。
重要なのは収入が発生した月(働いた月)ベースで判断されるケースが多い点です。つまり、実際に給与を受け取った日ではなく、働いた月の収入でカウントすることが多いのです。
締日と支払日がズレる場合の実際の判定
たとえば「月末締め・翌月25日支払い」の給与体系の場合、4月に働いた分が5月25日に支払われる形になります。この場合、4月分の収入は「4月の収入」としてカウントされるのが一般的です。
したがって、4月・5月・6月の労働がすべて10万8千円を超えていた場合、それぞれの「働いた月」が対象となるため、扶養から外れる可能性があると判断されやすくなります。
一時的な増収でも外れる可能性はある?
実際には、一時的な増収か継続的な増収かで扱いが異なります。例えば、単発のバイトで一時的に収入が増えた場合、健康保険組合に相談の上、扶養継続が認められることもあります。
一方、3ヶ月以上にわたって継続的に基準額を超えるような働き方をした場合、「継続性あり」と見なされ、扶養から外される可能性が高まります。
複数の収入源がある場合の注意点
日払いバイトなどで他にも収入がある場合、それらもすべて合算されます。たとえば、6月に通常の給与(5月分)で10万8千円、さらに日払いで2万円の収入があれば、6月の収入合計は12万8千円となり、連続3ヶ月で超えていれば扶養外のリスクが高まります。
扶養を守るためにできる対策
- 給与の締日・支払日と労働月を正確に把握する
- 収入が一時的なものか継続するかを明確にしておく
- 月ごとの収入を記録して扶養基準に抵触しないよう調整する
- 疑問がある場合は早めに健康保険組合に相談する
これらの対策を行うことで、不要な扶養外れを防ぐことができます。
まとめ:3ヶ月連続で10万8千円超は「働いた月ベース」が原則
「3ヶ月連続で10万8千円を超えると扶養から外れる」という基準は、実際には多くの健康保険組合で目安として用いられています。そして、その判定は給与を受け取った月ではなく、働いた月ベースで行われるのが一般的です。
収入が増えそうな時期には、扶養範囲内かをよく確認し、必要に応じて勤務時間やバイト数の調整を行いましょう。不明点は遠慮せず、保険組合や勤務先の担当者に確認することが、トラブル回避のポイントです。
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