毎月の給与から天引きされている厚生年金保険料。その中に実は「国民年金の保険料」も含まれているという仕組みをご存知ですか?また、定期的に送られてくる『ねんきん定期便』に記載された年金見込み額には、国民年金部分も含まれているのでしょうか。この記事では、厚生年金と国民年金の関係、ねんきん定期便の金額の見方について、初心者にもわかりやすく解説します。
厚生年金と国民年金の関係とは?
日本の公的年金制度は「2階建て構造」になっています。
- 1階部分:すべての人が加入する国民年金(基礎年金)
- 2階部分:会社員や公務員が加入する厚生年金(報酬比例部分)
つまり、厚生年金に加入している人は、自動的に国民年金にも加入しているという仕組みです。そのため、毎月支払っている厚生年金保険料には国民年金の分も含まれています。
会社員であれば、本人と会社がそれぞれ保険料を半分ずつ負担しています。
「ねんきん定期便」の金額には国民年金分も含まれている
定期的に送られてくる『ねんきん定期便』には、将来もらえる年金の「見込み額」が記載されています。この金額には、国民年金(基礎年金)と厚生年金の両方が合算された額が表示されています。
具体的には。
- 「65歳から受け取れる見込額」→ 国民年金 + 厚生年金
- 「これまでの加入実績に応じた年金額」→ 今までの納付状況をもとに試算した額
つまり、定期便に記載された金額は「全部込み」の総額であり、個別に内訳は記載されていないこともあります。
国民年金と厚生年金の金額の内訳を知るには?
国民年金(基礎年金)の金額は、原則として満額で年額約80万円程度(令和6年度時点)です。厚生年金部分は、これに加えて「これまでの給与額と加入期間」に応じて上乗せされます。
たとえば。
- 国民年金部分:80万円
- 厚生年金部分:120万円
- 合計:年金見込額200万円
このような構成となっており、厚生年金に長く加入するほど受給額が増えます。
「ねんきんネット」でさらに詳しく確認できる
年金の詳しい内訳を知りたい場合は、ねんきんネットを利用するのがおすすめです。ログインすれば、次のような情報を確認できます。
- これまでの年金加入実績
- 将来の受取額のシミュレーション
- 国民年金と厚生年金の金額内訳
ユーザー登録すれば、いつでもパソコンやスマホから最新情報を確認できます。
実例:30代会社員Aさんのケース
30代の会社員Aさんは、ねんきん定期便に記載された年金額が「思ったより高い」と感じていました。しかし実際は、基礎年金+厚生年金の合算額であることを知り、「なるほど、国民年金分も含まれてたのか」と納得したそうです。
また、ねんきんネットで自分の過去の給与や加入月数まで確認できたことで、年金制度への理解も深まりました。
まとめ:厚生年金=国民年金込み。定期便の額は合算表示
会社員や公務員が加入する厚生年金には、国民年金(基礎年金)が含まれています。毎月の保険料にも、そして『ねんきん定期便』に記載された金額にも、国民年金分はすでに含まれているという点がポイントです。
年金制度は複雑に感じるかもしれませんが、仕組みを理解しておけば将来の備えにも役立ちます。気になったときは、「ねんきんネット」で詳細を確認するのも有効です。
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