20代で初めて生命保険を検討すると、「掛け捨てと終身はどちらがいい?」「医療保険と死亡保険は両方必要?」「県民共済だけでも大丈夫?」と迷いやすいものです。保険商品は種類が非常に多いため、商品名から探し始めるとかえって分からなくなることがあります。結論からいうと、26歳・独身・扶養家族なしという条件なら、誰にでも「これだけ入れば間違いない」といえる生命保険はありません。まず健康保険、高額療養費制度、会社員なら傷病手当金などの公的保障と自分の預貯金を確認し、それでも困る金額だけを民間保険や共済で補うのが基本です。県民共済は月々の負担を抑えて医療・死亡などを広くカバーしたい人には有力な選択肢ですが、終身保障ではないことなども理解して選ぶ必要があります。この記事では、26歳独身女性を具体例として、生命保険の必要性、掛け捨てと終身の違い、県民共済の特徴、医療保険・死亡保険・就業不能への備えまで順番に解説します。
- 26歳独身女性なら「生命保険に何も入っていない=危険」ではない
- そもそも生命保険は何のために入るもの?
- 26歳独身なら大きな死亡保障の優先順位は低いことが多い
- 独身でも死亡保障が必要になるケースはある
- 26歳なら最初に確認したいのは公的医療保険
- 高額療養費があれば医療保険は不要なの?
- 会社員なら傷病手当金も確認しておこう
- 生命保険より先に「生活防衛資金」を作る考え方も重要
- 掛け捨て保険とは?
- 終身保険とは?
- 掛け捨てと終身はどちらが正解?
- 26歳独身なら「掛け捨て+貯金」はシンプルな選択肢
- 県民共済に「とりあえず入る」のはあり?
- 県民共済のメリット
- 県民共済にもデメリット・注意点がある
- 県民共済の「総合保障型」と「入院保障型」はどう違う?
- 女性向け保険は入った方がいい?
- がん保険は26歳から必要?
- 医療保険の日額5,000円・1万円はどう決める?
- 医療保険より「働けなくなるリスク」が大きいこともある
- 具体例① 貯金100万円・会社員・扶養家族なし
- 具体例② 貯金10万円・一人暮らし
- 具体例③ 親へ毎月仕送りしている
- 「若いうちに終身保険へ入れば得」は本当?
- 保険と貯蓄・投資を混ぜすぎない
- 保険料は月いくらまでならいい?
- 「保険に入って安心」より定期的な見直しが重要
- 26歳独身女性が保険を選ぶときのおすすめの順番
- 迷ったときのシンプルな考え方
- 県民共済だけでスタートして後から見直す方法もある
- 保険相談を利用するときに聞くべき質問
- その場で契約しなくてもいい
- 26歳独身なら「保険ゼロ」「県民共済」「民間医療保険」の3案を比較すると分かりやすい
- まとめ:26歳独身なら「とりあえず高額な生命保険」ではなく、公的保障+貯金+必要最低限の保険から考える
26歳独身女性なら「生命保険に何も入っていない=危険」ではない
生命保険に加入していないと不安になるかもしれませんが、民間の生命保険に入っていないからといって、病気になったときに何の保障もないわけではありません。日本には公的医療保険があり、さらに高額な医療費に対しては高額療養費制度があります。
生命保険文化センターも、必要な保障額は家族構成、年齢、収入・資産、公的保障などによって異なり、必要となる支出から公的保障や収入、自己資産などを考慮して不足分を検討するという考え方を示しています。[参照:生命保険文化センター 生命保険の商品選び]
特に独身で自分の収入に依存して生活している配偶者や子どもがいない場合、死亡時に何千万円もの生活保障を遺族へ残す必要性は一般的に低くなります。生命保険を考えるなら、まず「死亡したとき」より「病気やケガで働けなくなったとき、自分の生活がどうなるか」を確認する方が重要なケースもあります。
そもそも生命保険は何のために入るもの?
保険の基本的な役割は、発生確率は高くなくても、実際に発生すると自分の貯金だけでは対応できない大きな経済的損失へ備えることです。
例えば100万円の貯金がある人に突然3万円の出費が発生しても、生活への影響は限定的でしょう。一方、自分の収入で家族を養っている人が死亡し、その後何千万円もの生活費・教育費が不足するなら、貯金だけでは対応できない可能性があります。こうしたケースでは死亡保険の意味が大きくなります。
「何となく心配だから全部保険に入る」のではなく、「起きたら自分のお金だけでは耐えられないリスク」を保険へ移すと考えると、商品を選びやすくなります。
26歳独身なら大きな死亡保障の優先順位は低いことが多い
死亡保険は、被保険者が死亡した場合に遺された人へ保険金を支払う仕組みです。そのため、自分が死亡した後に経済的に困る人がいるかどうかが重要です。
例えば結婚して専業主婦・主夫の配偶者がいる、子どもがいる、親へ継続的に仕送りをしているといった場合は死亡保障の必要性が高まります。一方、独身で扶養家族がおらず、親も自分の収入で生活できているのであれば、高額な死亡保障を急いで契約する必要性は比較的小さいと考えられます。
生命保険文化センターも死亡保障の必要額について、家族構成・収入・資産状況・子どもの年齢などによって異なると説明しています。[参照:生命保険文化センター 生命保険の加入金額の目安]
独身でも死亡保障が必要になるケースはある
独身だから死亡保険が絶対に不要というわけでもありません。例えば親の生活費を毎月負担している場合、自分が亡くなると親の生活に影響する可能性があります。
また、自分の死後に発生する葬儀や遺品整理などの費用を家族へ負担させたくないという理由で、一定の死亡保障を用意する考え方もあります。ただし十分な預貯金があれば、その費用を預金から賄う選択肢もあります。
「独身だから死亡保険ゼロ」「社会人だから1000万円必要」のように年齢や属性だけで決めるのではなく、自分が亡くなった場合に誰がいくら困るのかを考えることが重要です。
26歳なら最初に確認したいのは公的医療保険
医療保険を契約する前に知っておきたいのが、日本の公的医療保険です。健康保険が適用される医療については、一般的な現役世代なら窓口負担は原則3割です。
さらに医療費が高額になった場合には高額療養費制度があります。厚生労働省によると、医療機関や薬局で支払う医療費が所得・年齢に応じた自己負担上限額を超えた場合、その超えた部分が支給される仕組みです。2026年8月から制度が見直され、年間上限なども導入されています。[参照:厚生労働省 高額療養費制度]
例えば厚生労働省が示す2026年8月以降の例では、70歳未満・年収約370万~510万円の人が医療費100万円の治療を受けた場合、健康保険適用分についての自己負担は約9.3万円まで抑えられます。したがって「100万円の治療を受けたら30万円を全額自腹で払う」と単純に考える必要はありません。
高額療養費があれば医療保険は不要なの?
高額療養費制度があるから民間医療保険は全員不要、という結論にもなりません。公的制度でカバーされない費用があるからです。
例えば入院時の食事代、差額ベッド代、交通費、日用品、家族の交通費などは状況によって自己負担になります。また病気で仕事を休むことによる収入減少は、医療費とは別の問題です。
そこで「医療費そのもの」だけではなく、入院・療養中に発生する周辺費用や収入減少を貯金でどこまで吸収できるかを確認します。十分な預貯金がない人ほど、一定の医療保障を持つ意味は大きくなります。
会社員なら傷病手当金も確認しておこう
健康保険に加入する会社員などの場合、業務外の病気やケガで仕事を休み、給与を受けられないなどの条件を満たすと傷病手当金を受給できることがあります。
協会けんぽの場合、傷病手当金は支給開始日から通算して1年6か月が支給期間です。支給額は標準報酬月額などを基に計算されます。[参照:全国健康保険協会 傷病手当金]
勤務先の健康保険組合によって付加給付がある場合もあります。そのため民間保険を申し込む前に、勤務先の健康保険制度、会社の休職制度、有給休暇、福利厚生まで確認すると、必要以上の保険へ加入することを防げます。
生命保険より先に「生活防衛資金」を作る考え方も重要
26歳で貯金がほとんどない場合、保険料を毎月何万円も支払うより、まず現金の貯蓄を増やした方が役立つ場面も多くあります。
例えば突然5万円必要になったとき、医療保険に毎月1万円払っていて預金が1万円しかなければ、医療以外の出費には対応できません。一方、預金が50万円あれば、家電の故障、引っ越し、失業など幅広い問題に対応できます。
保険と貯金は役割が異なります。小さな損失は貯金、大きすぎて貯金では対応できない損失は保険という考え方を基本にするとよいでしょう。
掛け捨て保険とは?
掛け捨て型とは、基本的に解約返戻金や満期保険金を抑える代わりに、比較的少ない保険料で保障を確保するタイプです。
例えば一定期間だけ1000万円の死亡保障が必要なら、貯蓄性を持つ終身保険より定期保険の方が少ない保険料で大きな保障を用意しやすい傾向があります。
「何も起こらなかったら保険料がもったいない」と感じやすいのがデメリットですが、保険は本来、何も起こらなければ使わない商品です。自動車保険や火災保険と同じように、保障を購入する費用と考えることができます。
終身保険とは?
終身保険は一般的に死亡保障が一生涯続くタイプの生命保険です。商品によっては解約時に解約返戻金を受け取れるため、「保障と貯蓄を兼ねられる」と説明されることがあります。
ただし、払い込んだ保険料がいつでも全額戻るわけではありません。特に加入してから短期間で解約すると、解約返戻金が払込保険料を大きく下回る商品があります。
また掛け捨て型と比較すると同じ死亡保障額でも保険料が高くなりやすいため、26歳独身で大きな死亡保障が必要ない人が「若いうちに入った方がお得そう」という理由だけで高額な終身保険へ加入する必要はありません。
掛け捨てと終身はどちらが正解?
| 比較項目 | 掛け捨て型 | 終身型 |
|---|---|---|
| 保険料 | 比較的抑えやすい | 比較的高くなりやすい |
| 保障期間 | 一定期間の商品が多い | 一生涯の保障 |
| 解約返戻金 | ない・少ない商品が多い | ある商品が多い |
| 大きな保障 | 少ない保険料で用意しやすい | 同額保障では負担が大きくなりやすい |
| 向いている用途 | 一定期間の大きなリスク | 一生涯残したい死亡保障など |
どちらかが全面的に優れているわけではありません。目的が違う商品だからです。
例えば結婚して子どもが生まれ、「子どもが独立するまで20年間だけ3000万円の死亡保障が必要」という場合は掛け捨ての定期保険や収入保障保険が合理的な候補になります。一方、一生涯一定の死亡保障を残したい場合には終身保険を検討する意味があります。
26歳独身なら「掛け捨て+貯金」はシンプルな選択肢
保険について考えるのが複雑すぎると感じる場合は、保障と資産形成をいったん分ける方法があります。
必要最低限の保障だけを掛け捨て型の保険・共済で確保し、浮いたお金を普通預金などで生活防衛資金として貯める方法です。長期の資産形成をするなら、生活防衛資金とは分けたうえでNISAなどを検討できます。
こうすると「これは保障のためのお金」「これはいつでも使える貯金」と役割が明確になります。ただし掛け捨てが全員に最適という意味ではなく、終身保障を必要とする目的があるなら終身型も候補になります。
県民共済に「とりあえず入る」のはあり?
保険料をあまり増やしたくない20代が最初の保障として都道府県民共済を検討することには合理性があります。都道府県民共済グループでは、18歳~65歳向けに総合保障型や入院保障型などを用意しています。[参照:都道府県民共済 保障のラインナップ]
代表的な総合保障2型は月掛金2,000円で、18歳~60歳では病気・事故による入院保障、事故による通院、死亡・重度障害などをカバーします。[参照:都道府県民共済 総合保障型]
「まだ大きな死亡保障はいらないが、月2,000円程度で入院・死亡などを広くカバーしておきたい」という20代独身者にとっては、比較検討する価値がある選択肢です。
県民共済のメリット
県民共済の分かりやすいメリットは掛金の安さです。都道府県民共済グループでは基本の月掛金2,000円を掲げており、複雑な保険商品と比較すると保障内容を把握しやすい特徴があります。[参照:都道府県民共済 ご加入者本位の取組み]
また決算後に剰余金が生じた場合は割戻金が戻る仕組みがあります。ただし割戻金の金額や率は年度によって異なり、将来の割戻しが保証されているわけではありません。
最初から月1万円以上の保険へ入ることに抵抗がある人が、最低限の保障を確保しながら保険について勉強するという使い方もしやすいでしょう。
県民共済にもデメリット・注意点がある
県民共済を「月2,000円だからこれで一生安心」と考えるのは適切ではありません。年齢によって保障内容が変化し、総合保障型・入院保障型は65歳以降に熟年型・熟年入院型へ継続して保障が85歳までとなる仕組みです。民間の終身医療保険のような一生涯同じ保障という商品ではありません。[参照:都道府県民共済]
また、必要な保障を細かく設計したい人には民間保険の方が適することがあります。県民共済はシンプルさがメリットである一方、個人ごとの細かなカスタマイズには限界があります。
なお都道府県によって取扱内容が一部異なる場合があります。実際に加入する際は、自分が住んでいる地域または勤務先所在地の共済について最新の保障内容を確認してください。
県民共済の「総合保障型」と「入院保障型」はどう違う?
都道府県民共済には、死亡・入院などを幅広くカバーする総合保障型と、入院・手術など医療保障を重視する入院保障型があります。
総合保障2型は月掛金2,000円で、18歳~60歳では病気入院が1日5,000円、事故入院が1日5,000円などとなっています。一方、入院保障2型は月掛金2,000円で、18歳~60歳の入院保障が1日1万円となり、手術などの保障も用意されています。[参照:都道府県民共済 保障ラインナップ]
独身で大きな死亡保障を必要とせず、入院時の自己負担を特に心配しているなら入院保障型を比較する余地があります。逆に死亡・事故・入院を広く最低限カバーしたいなら総合保障型が分かりやすい候補です。
女性向け保険は入った方がいい?
20代女性が保険を探すと、乳がん、子宮がん、子宮筋腫など女性特有の病気を手厚く保障する「女性向け医療保険」や女性疾病特約を目にすることがあります。
女性向け保障が役立つケースはありますが、「女性だから必ず女性保険が必要」というわけではありません。一般的な医療保険でも、保障対象となる病気なら女性特有の病気について給付対象になることがあります。女性疾病特約は、その際に給付金を上乗せする仕組みであることが一般的です。
そのため「女性疾病特約がないと乳がんが一切保障されない」と思い込まず、基本契約で何が保障され、特約を付けると何が追加されるのかを確認しましょう。
がん保険は26歳から必要?
がん保険も全員が26歳から必ず加入すべき商品ではありません。貯金額、家族歴だけでなく、勤務先の休職制度、収入、治療中の生活費などを総合的に考えます。
がん保険を選ぶなら、入院日額だけでなく、がんと診断された場合の一時金、通院治療、抗がん剤治療など、現在の治療方法に対応した保障かを確認することが重要です。
特に若いうちは「がんだけ」「入院だけ」と保険を増やしていくと毎月の固定費が膨らみます。まず自分が最も困るリスクから優先順位をつけましょう。
医療保険の日額5,000円・1万円はどう決める?
医療保険では「入院1日5,000円」「入院1日1万円」といった商品がありますが、多ければ多いほどよいわけではありません。保障を増やせばその分だけ保険料も高くなります。
生命保険文化センターの2025年度調査では、疾病入院給付金が支払われる生命保険の加入率は65.6%で、入院給付金の必要額として考えられている平均は日額10,100円、実際の加入金額平均は日額8,500円でした。これはあくまで調査平均であり、「日額1万円が全員の正解」という意味ではありません。[参照:生命保険文化センター 2025年度生活保障に関する調査]
自分に必要な金額は、高額療養費制度、貯金、会社の福利厚生、入院時に発生しそうな自己負担などから逆算する方が合理的です。
医療保険より「働けなくなるリスク」が大きいこともある
26歳の会社員にとって、数日間の入院費より大きな問題になり得るのが、病気やケガで長期間仕事ができなくなることです。
例えば毎月の生活費が15万円で、療養が半年続けば生活費だけで90万円必要です。医療費が高額療養費で抑えられても、家賃、食費、通信費などは毎月発生します。
会社員なら傷病手当金が利用できる可能性がありますが、それだけで現在の手取り全額を補えるわけではありません。自分の生活費と公的給付との差額を確認し、預貯金で耐えられないなら就業不能保険などを検討するという順番があります。
具体例① 貯金100万円・会社員・扶養家族なし
26歳、独身会社員、扶養家族なし、貯金100万円という人を考えてみましょう。勤務先の健康保険と傷病手当金があり、死亡して経済的に困る家族もいないとします。
このケースでは高額な死亡保険を最優先にする理由は比較的小さいでしょう。医療費についても高額療養費制度と100万円の貯金があるため、一定の自己負担には対応できます。
保険へ入るなら月数千円程度の掛け捨て医療保障・共済だけにする、あるいは公的保障と貯金で対応できると判断して当面加入しない、という選択肢も考えられます。
具体例② 貯金10万円・一人暮らし
同じ26歳でも、貯金10万円、一人暮らし、毎月の生活費15万円というケースでは事情が変わります。
病気で仕事を休むと、医療費だけでなく家賃や生活費を支払えなくなるリスクがあります。この場合は保険を検討すると同時に、生活防衛資金を優先的に作る必要があります。
月1万円の高額な保険を契約して貯金ができなくなるより、例えば必要最低限の保障を月2,000~3,000円程度に抑え、残りを現金で積み立てる方が柔軟性を確保できる場合があります。
具体例③ 親へ毎月仕送りしている
26歳独身でも、親へ毎月5万円を仕送りしていて、親がそのお金を生活に必要としているケースを考えます。
この場合は本人が死亡すると親の生活費が不足する可能性があるため、独身でも死亡保障を持つ合理性があります。
必要保障額は「独身だから500万円」のように決めるのではなく、親が何年間、毎月いくら不足するのか、親自身の年金・預金などはいくらあるのかを計算して決めます。
「若いうちに終身保険へ入れば得」は本当?
一般に生命保険は若く健康な時期ほど加入時の保険料が低くなる傾向があります。そのため「26歳の今、一生分の保険を決めないと損」と考えることがあります。
しかし26歳から60歳まで34年間あります。結婚、出産、転職、住宅購入、収入増加などによって必要保障は大きく変化します。
保険料が安いという理由だけで不要な保障を30年以上払い続ければ、結果的には大きな支出になります。若さは加入上有利な要素ですが、必要のない保険を契約する理由にはなりません。
保険と貯蓄・投資を混ぜすぎない
終身保険などには解約返戻金がある商品があり、保障と資産形成を同時に行えるものもあります。しかし仕組みが理解できない状態で契約するのは避けた方がよいでしょう。
「保険料のうちいくらが保障コストなのか」「いつ解約するといくら戻るのか」「払込総額はいくらか」「途中解約で元本割れする期間は何年か」などを確認する必要があります。
理解しにくい場合は、掛け捨て保険で必要保障だけ購入し、貯金は普通預金、長期資産形成はNISAなどと目的を分けると家計管理がシンプルになります。
保険料は月いくらまでならいい?
「26歳なら月5,000円まで」など全員に共通する正解はありません。しかし、保険料のために生活防衛資金を貯められなくなるのは本末転倒です。
例えば手取り20万円で毎月2万円を保険へ支払い、貯金がゼロなら年間24万円が保険料へ消えます。一方、必要な保障を月3,000円に絞れば年間3万6,000円で、差額20万4,000円を貯蓄できます。
26歳独身で扶養家族がいない段階では、最初から死亡・医療・がん・女性疾病・介護・個人年金などを全部契約するのではなく、必要性の高いものから少額で始める方が見直しやすくなります。
「保険に入って安心」より定期的な見直しが重要
生命保険は一度契約したら一生放置するものではありません。結婚、出産、住宅購入、転職、独立、貯蓄増加などによって必要保障額は変わります。
例えば独身時代は死亡保障100万円程度で十分だった人でも、結婚して子どもが生まれ、家族の主な収入を担うようになれば数千万円規模の保障が必要になることがあります。
反対に子どもが独立して十分な金融資産ができれば、大きな死亡保障を減らせる可能性があります。ライフステージが変化するたびに見直すことが重要です。
26歳独身女性が保険を選ぶときのおすすめの順番
- 健康保険・高額療養費制度を理解する
- 会社員なら傷病手当金・勤務先の福利厚生を確認する
- 自分の毎月の生活費を計算する
- 現在の預貯金額を確認する
- 自分が死亡したら経済的に困る人がいるか確認する
- 病気で半年働けなかった場合の不足額を計算する
- 不足する部分だけ民間保険・共済で補う
- 県民共済と民間保険を同じ保障条件で比較する
- 契約概要・注意喚起情報・約款を確認してから申し込む
この順番なら、広告で目についた商品から契約するより、自分に必要な保険を絞り込みやすくなります。
迷ったときのシンプルな考え方
26歳・独身・扶養家族なしで、保険について考えれば考えるほど分からなくなってしまった場合は、いったん目的を3つに分けると整理できます。
| 心配していること | 最初に確認するもの | 不足する場合の候補 |
|---|---|---|
| 病院代が払えない | 健康保険・高額療養費・預貯金 | 医療保険・共済 |
| 病気で働けない | 傷病手当金・休職制度・預貯金 | 就業不能保障など |
| 死亡後に家族が困る | 扶養家族・遺族年金・預貯金 | 定期保険・終身保険など |
| がん治療が心配 | 公的医療保険・勤務先制度 | がん保険・がん特約 |
| 老後のお金が心配 | 公的年金・貯蓄計画 | NISA等を含む長期資産形成 |
生命保険は「全部の不安を一つの商品で解決するもの」と考えない方が分かりやすくなります。
県民共済だけでスタートして後から見直す方法もある
現在健康で、扶養家族がなく、保険料をできるだけ抑えたいなら、県民共済などのシンプルな保障を比較して最低限から始める方法は選択肢になります。
その後、結婚したら死亡保障を追加する、出産したら必要保障額を再計算する、貯金が増えたら医療保障を減らすといった見直しができます。
ただし将来健康状態が変化すると、新しい保険への加入が難しくなったり条件が付いたりする可能性があります。そのため「いつでも後から同じ条件で入れる」とは考えず、現在必要だと判断した保障については加入条件も含めて検討しましょう。
保険相談を利用するときに聞くべき質問
保険会社や代理店へ相談する場合は、「おすすめは何ですか?」だけではなく、自分の必要保障額を数字で説明してもらうことが大切です。
- 私が死亡した場合、誰にいくら不足するのか
- 公的医療保険を考慮すると医療費はいくら不足するのか
- 傷病手当金を含めても毎月いくら不足するのか
- この保険を60歳まで払うと総額いくらになるのか
- 10年後に解約した場合の返戻金はいくらか
- 更新時に保険料はいくらになる可能性があるか
- この特約を外すと何が保障されなくなるのか
- 同じ保障を掛け捨て型にすると保険料はいくらになるか
こうした質問への回答を数字で比較すれば、「何となく安心だから契約する」ことを避けやすくなります。
その場で契約しなくてもいい
生命保険は長期間保険料を払い続ける契約になることがあります。例えば月5,000円でも年間6万円、30年間なら単純計算180万円です。
相談した日に契約しなければならない理由は基本的にありません。設計書や契約概要を持ち帰り、別の商品や共済と比較することが大切です。
生命保険文化センターも、複数の商品を比較することを有効な方法として案内しています。[参照:生命保険文化センター]
26歳独身なら「保険ゼロ」「県民共済」「民間医療保険」の3案を比較すると分かりやすい
最終的に迷った場合は、具体的に3つのパターンで年間コストと保障内容を比較してみましょう。
案1は民間保険・共済へ加入せず、公的保障+預貯金で対応する方法です。十分な貯金があり、勤務先の保障も手厚い人なら合理的な場合があります。
案2は県民共済など月数千円程度の掛け捨て型保障を利用する方法です。貯金がまだ少なく、最低限の入院・死亡保障を安価に持ちたい人には比較しやすい選択肢です。
案3は民間の医療保険などを利用する方法です。終身医療保障を希望する、保障内容を細かく設定したいなど明確な目的がある場合に検討できます。この3案について月額保険料だけでなく、10年・20年で支払う総額まで比較すると判断しやすくなります。
まとめ:26歳独身なら「とりあえず高額な生命保険」ではなく、公的保障+貯金+必要最低限の保険から考える
26歳・独身・扶養家族なしの場合、「これだけ入っておけば絶対に間違いない」という生命保険はありません。生命保険文化センターも、必要保障額は家族構成、収入、資産、公的保障などによって異なるとしています。[参照:生命保険文化センター]
まず高額療養費制度などの公的医療保障を確認し、会社員なら傷病手当金や勤務先の休職・福利厚生制度を調べます。そのうえで預貯金では耐えられない部分だけを民間保険・共済で補うのが基本です。[参照:厚生労働省 高額療養費制度][参照:全国健康保険協会 傷病手当金]
扶養する配偶者や子どもがいないなら、大きな死亡保障の優先順位は一般的に低くなります。医療費や長期間働けなくなるリスク、そして生活防衛資金の方を先に確認するとよいでしょう。
県民共済については、月2,000円程度から医療・死亡などの基本的な保障を持てるため、「保険料を抑えながら最低限の保障から始めたい」という20代独身者には比較する価値があります。一方、保障が一生涯同じ内容で続く終身保険ではなく、年齢によって保障内容が変わる点などには注意が必要です。[参照:都道府県民共済]
掛け捨てと終身についても「どちらがお得か」ではなく目的で選びます。一定期間だけ大きな保障が必要なら掛け捨て型、一生涯残したい死亡保障があるなら終身型が候補になります。目的がまだ明確でなければ、最初から高額な終身保険を契約する必要はありません。
保険選びで迷ったときは、①公的保障を調べる、②生活費と貯金を確認する、③死亡すると経済的に困る人がいるか考える、④長期療養時の不足額を計算する、⑤不足分だけ保険・共済で補うという順番にするとシンプルです。26歳時点で完璧な保険を一生分決める必要はなく、結婚・出産・住宅購入などライフステージが変わったときに保障を見直していくことが大切です。


コメント