「住民税は給与所得控除後の金額の約10%で計算される」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、実際の住民税は給与所得控除後の金額にそのまま10%を掛けるだけではありません。基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引いた後に税率が適用されるため、実際の税額は人によって異なります。
この記事では、住民税の基本的な計算方法や、給与所得控除との関係、実際の計算例についてわかりやすく解説します。
住民税は「給与所得控除後の額×10%」ではない
住民税の所得割の税率は、多くの自治体でおおむね10%(都道府県民税4%・市区町村民税6%)ですが、課税対象となる金額は給与所得控除後の金額そのものではありません。
まず給与収入から給与所得控除を差し引いて「給与所得」を求め、その後に基礎控除や社会保険料控除、生命保険料控除などの各種所得控除を差し引いた「課税所得」に税率を掛けて計算します。
つまり、給与所得控除後の金額=住民税の課税対象ではありません。
住民税の基本的な計算の流れ
住民税は次のような流れで計算されます。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 給与収入から給与所得控除を差し引く |
| ② | 給与所得を算出する |
| ③ | 基礎控除・社会保険料控除などの所得控除を差し引く |
| ④ | 課税所得に住民税率(原則約10%)を掛ける |
| ⑤ | 均等割や森林環境税などを加算する |
このように複数の計算を経て税額が決まるため、「給与所得控除後の額×10%」という単純な計算にはなりません。
実際の計算例
例えば、給与所得控除後の所得が300万円だった場合を考えてみます。
ここから基礎控除や社会保険料控除などを合計100万円差し引くと、課税所得は200万円になります。
この場合、所得割は約20万円(200万円×10%)となり、さらに均等割などが加算されます。
一方で、所得控除額が多い人は課税所得が少なくなるため、住民税も少なくなります。
住民税には均等割もある
住民税は所得割だけではなく、「均等割」と呼ばれる定額部分もあります。
均等割は所得に関係なく一定額が課税される仕組みですが、所得が一定以下の場合は非課税になることがあります。
また、制度改正により森林環境税が合わせて徴収されるため、毎年の住民税額は所得割だけでは決まりません。
住民税額を簡単に予測する方法
概算を知りたい場合は、「給与所得控除後の所得から各種所得控除を差し引いた金額の約10%」と考えると、おおよその住民税額を把握できます。
ただし、扶養家族の有無や社会保険料、生命保険料控除、医療費控除などによって税額は変動します。
正確な金額を知りたい場合は、市区町村から送付される住民税決定通知書や給与明細の住民税額を確認するのが確実です。
まとめ
住民税は税率だけを見ると約10%ですが、給与所得控除後の金額にそのまま10%を掛けて計算するわけではありません。
給与所得控除後の所得から、基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引いた課税所得に税率が適用され、さらに均等割などが加算されて最終的な税額が決まります。
そのため、「給与所得控除後の約10%」はあくまで目安であり、実際の住民税は個々の所得控除や家族構成などによって異なることを理解しておきましょう。

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