病気やケガによる長期療養で会社を休職した場合、給与明細に「差引支給額マイナス」と記載され、会社から不足額の支払いを求められることがあります。しかし、その内訳を見ると社会保険料や住民税だけでなく、高額な欠勤控除額が含まれているケースもあり、戸惑う方は少なくありません。この記事では、長期欠勤時の給与計算の仕組みや欠勤控除の考え方について解説します。
給与差引支給額がマイナスになる仕組み
給与明細の差引支給額は、支給される給与から社会保険料、住民税、所得税などを差し引いて計算されます。
しかし、長期間欠勤した場合は支給される給与が大幅に減少する一方で、社会保険料や住民税は一定額が発生するため、控除額が支給額を上回ることがあります。
その結果、給与明細上で「差引支給額マイナス」と表示され、会社から不足分の支払いを求められることがあります。
社会保険料や住民税は休職中でも発生する
健康保険料や厚生年金保険料は、在籍している限り原則として発生します。
また、住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、当月の給与がゼロであっても徴収対象となります。
| 項目 | 休職中の扱い |
|---|---|
| 健康保険料 | 原則発生する |
| 厚生年金保険料 | 原則発生する |
| 住民税 | 前年所得に基づき発生する |
| 所得税 | 給与がなければ基本的に発生しない |
そのため、給与が支給されない月であっても会社が立て替えた保険料等を後日請求することは珍しくありません。
欠勤控除額とは何か
欠勤控除とは、本来支払われる予定だった給与から欠勤日数分を差し引く処理を指します。
会社によって給与体系が異なりますが、当月払いの会社では「一旦基本給を計算し、その後欠勤日数に応じて控除する」方式を採用していることがあります。
この場合、給与明細上には高額な欠勤控除額が表示されることがありますが、必ずしもその金額を会社へ別途支払うという意味ではありません。
欠勤控除額を実際に支払うケースはあるのか
通常、欠勤控除は給与計算上のマイナス処理であり、会社から現金で徴収される性質のものではありません。
例えば基本給30万円の社員が1か月全て欠勤した場合、支給額30万円に対して欠勤控除30万円が計上され、結果として給与支給額がゼロになることがあります。
この場合、欠勤控除額そのものを会社へ振り込むわけではなく、実際に請求対象となるのは社会保険料や住民税などの立替分であるケースが一般的です。
給与明細の確認ポイント
差引支給額が大きくマイナスになっている場合は、内訳を確認することが重要です。
- 支給項目に基本給が計上されているか
- 欠勤控除額がどのように計算されているか
- 会社から請求されている金額の根拠は何か
- 社会保険料と住民税の金額はいくらか
給与明細上のマイナス金額と、実際に振込を求められる金額は必ずしも一致しません。
長期療養時は傷病手当金も確認を
健康保険の被保険者が病気やケガで働けない場合、要件を満たせば傷病手当金を受給できる可能性があります。
傷病手当金は標準報酬日額の約3分の2相当が支給される制度であり、長期欠勤時の生活費を補う重要な制度です。
まだ申請していない場合は、勤務先や健康保険組合へ確認してみるとよいでしょう。
まとめ
長期療養による休職中に給与明細の差引支給額がマイナスになる主な原因は、社会保険料や住民税が継続して発生するためです。
一方で、欠勤控除額は給与計算上の調整項目であり、その全額を会社へ支払うケースは一般的ではありません。実際に請求されている金額の内訳を確認し、不明な点があれば給与担当者へ説明を求めることが大切です。

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