夫婦として生活していても、法律婚(婚姻届を提出した夫婦)と事実婚(婚姻届を提出していない夫婦)では、税金や社会保障制度の扱いが異なる場合があります。特に世帯収入が少ない家庭では、児童手当や各種給付、税金、国民健康保険料などへの影響が気になるところです。
この記事では、夫婦それぞれがパート勤務で国民健康保険や国民年金に加入しているケースを想定し、法律婚と事実婚で変わる制度、どちらが有利になりやすいのか、注意すべきポイントについて解説します。
法律婚と事実婚では税金の扱いが大きく異なる
法律婚の場合、配偶者控除や配偶者特別控除など、夫婦関係を前提とした税制上の制度を利用できる可能性があります。
例えば、夫婦の一方の収入が少ない場合、一定の条件を満たせば、収入が多い側の所得税や住民税の負担を軽減できる場合があります。
一方で、事実婚の場合は、一般的に税法上の配偶者とは認められないため、配偶者控除や配偶者特別控除を利用することはできません。
国民健康保険や国民年金では法律婚のメリットは限定的
夫婦ともに会社の社会保険へ加入しておらず、国民健康保険と国民年金に加入している場合、法律婚だから必ず保険料が安くなるというわけではありません。
国民健康保険料は世帯の所得などを基準に計算されるため、自治体によっては世帯単位で影響を受けます。法律婚か事実婚かだけで単純に有利不利が決まるものではありません。
また、国民年金は基本的に個人単位の制度であり、法律婚だから配偶者の年金保険料が無料になるという仕組みではありません。会社員などの厚生年金加入者にある第3号被保険者制度とは異なる点に注意が必要です。
児童手当や子育て支援制度は事実婚でも確認が必要
子どもに関する支援制度では、法律婚かどうかだけでなく、実際の生活状況や所得状況によって判断されることがあります。
例えば、児童手当や自治体独自の給付制度では、父母が同居している場合、事実婚であっても夫婦同様の関係として扱われることがあります。
「婚姻届を出していないからシングル扱いになる」とは限らず、自治体によって確認方法や判断基準が異なります。実際には同居している相手の収入も考慮されるケースがあります。
事実婚でシングル向け支援を受けられるとは限らない
ひとり親向けの手当や支援制度については、法律上の離婚や未婚という形式だけではなく、実際の生活状況が重要になります。
例えば、同居しているパートナーがいて生活費を共有している場合、自治体から「事実上の婚姻関係がある」と判断され、ひとり親向け制度の対象外になる可能性があります。
そのため、婚姻届を提出していないことだけを理由に、毎月一定額の支援を継続して受けられるとは限りません。制度の利用を考える場合は、住んでいる自治体へ確認することが大切です。
年収240万円程度の家庭で考えるべきポイント
夫婦合計の年収が約240万円で、一方が約90万円、もう一方が約150万円の場合、法律婚と事実婚のどちらが得かは、単純な金額比較だけでは判断できません。
法律婚では配偶者控除など税制上のメリットが期待できる一方、事実婚では利用できない制度があります。また、子育て関連の給付についても家庭の実態によって判断されます。
例えば、法律婚にすることで税負担が少し軽減される一方、事実婚の状態で利用できていたと思っていた支援制度が対象外になる可能性もあります。家庭全体の収支で考えることが重要です。
法律婚と事実婚を選ぶ前に確認したいこと
法律婚と事実婚のどちらが良いかは、税金だけではなく、相続、医療手続き、住宅契約、子どもの手続きなど幅広い面で考える必要があります。
特に子どもがいる家庭では、将来的な相続や親権、家族関係の証明など、生活上の手続きに違いが出る場合があります。
金銭面だけで判断せず、現在利用している制度や将来必要になる制度を確認したうえで選択することが大切です。
まとめ
法律婚と事実婚では、税金や社会保障制度の扱いに違いがあります。特に法律婚では配偶者控除など税制上のメリットがある一方、事実婚では利用できない制度があります。
ただし、子育て支援やひとり親向け制度については、婚姻届の有無だけで決まるわけではなく、実際の同居状況や生活実態によって判断される場合があります。
夫婦の収入が少ない家庭ほど、目先の給付だけではなく、税金・保険料・将来の保障を含めて総合的に比較し、自治体や専門窓口へ確認しながら判断することが重要です。


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