親や祖父母が所有する不動産の家賃収入を子ども世帯へ渡したい場合、「贈与税がかかるのでは?」と気になる人は多いです。特に、民泊予定だった物件を賃貸に切り替え、その賃料を息子へ渡したいケースでは、税務上の扱いを整理しておくことが重要です。
この記事では、不動産収入と贈与税の基本、家賃収入を家族へ移す際の注意点、税務署から見られやすいポイントについてわかりやすく解説します。
家賃収入は「所有者」に帰属するのが原則
税法上、不動産の賃料収入は原則として「その不動産の所有者」に入るものとして扱われます。
例えば、80代のお母様と50代の質問者が貸家の所有者である場合、月15万円の賃料収入は基本的に所有割合に応じて所有者の所得になります。
そのため、実際の所有者ではない息子さんが継続的に家賃を受け取ると、税務上は「贈与」と判断される可能性があります。
贈与契約書を書けば無税になるわけではない
「贈与契約書を作れば問題ない」と思われがちですが、契約書を作成しても贈与税の対象から外れるわけではありません。
贈与税は年間110万円の基礎控除がありますが、月15万円を毎月渡すと年間180万円となり、基礎控除を超える可能性があります。
| 年間贈与額 | 贈与税の可能性 |
|---|---|
| 110万円以下 | 原則非課税 |
| 110万円超 | 申告・課税対象の可能性 |
つまり、「書類を作れば回避できる」というより、金額や実態が重要視されます。
生活費・教育費なら非課税になる場合がある
親から子への援助でも、「通常必要な生活費や教育費」は非課税扱いになる場合があります。
ただし、ポイントは“必要な時に必要な分を使う”ことです。
例えば、毎月の家賃補助や食費、子どもの保育料などに充てるための送金は、社会通念上妥当であれば贈与税が問題になりにくいケースがあります。
一方で、「生活費として渡したが、実際には全額貯金していた」という場合は、税務上は通常の贈与と見られる可能性があります。
家賃収入を息子へ移したい場合の考え方
本格的に息子さんへ家賃収入を移したい場合、単純な送金ではなく、権利関係自体を整理するケースがあります。
- 不動産の持分を一部贈与する
- 管理委託契約を結ぶ
- 事業として運営委託する
- 民泊事業を息子名義にする
例えば、息子さんが実際に賃貸管理・募集・清掃・対応を行い、その対価として管理報酬を受け取る形なら、単純な贈与とは異なる扱いになる場合があります。
ただし、形式だけで実態が伴わない場合は否認される可能性もあるため注意が必要です。
税務署が見ているポイント
家族間のお金の移動では、税務署は「実態」を重視します。
特に以下のようなケースは注意が必要です。
- 毎月一定額を長期間送金している
- 使わずにそのまま貯金されている
- 契約実態がない
- 不動産所有者と収入受取人が違う
逆に、管理業務の実態や経費負担などが明確なら、単純な贈与とは区別されやすくなります。
まとめ
貸家の賃料収入は原則として不動産所有者の所得になるため、そのまま息子さんへ渡し続けると贈与税の対象になる可能性があります。
贈与契約書だけで完全に回避できるわけではなく、「実際に何のお金なのか」「生活費なのか」「単なる資産移転なのか」が重要になります。年間110万円を超える継続的な送金や貯蓄目的の資金移動は、税理士へ事前相談して整理する方が安全です。


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