従業員を雇用して事業を始める場合、労災保険への加入は重要な手続きのひとつです。では、会社として労災保険に加入する場合、実際にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
労災保険料は一律の金額ではなく、業種や従業員の賃金によって決まります。この記事では、労災保険料の仕組みや計算方法、会社が負担する費用の目安について分かりやすく解説します。
労災保険への加入費用は基本的に会社が全額負担する
労災保険は、仕事中や通勤中に従業員がケガや病気になった場合に補償を行うための公的な保険制度です。健康保険や厚生年金とは異なり、労災保険料は従業員から徴収することはなく、事業主が全額負担します。
そのため、従業員側の給与から労災保険料が天引きされることはありません。会社が従業員の安全を守るための費用として負担する仕組みになっています。
例えば、従業員を5人雇用している会社でも、100人規模の会社でも、必要な労災保険料は従業員の賃金総額と業種によって計算されます。
労災保険料の計算方法
労災保険料は、以下の計算式で求められます。
労災保険料=従業員の年間賃金総額×労災保険料率
ここでいう賃金とは、基本給だけではなく、賞与や各種手当なども含まれる場合があります。
労災保険料率は業種ごとに異なり、危険性の高い建設業や運送業などは高く設定され、事務職中心の会社などは比較的低い料率になっています。
労災保険料の具体的な費用例
例えば、年間給与総額が1,000万円の会社で、労災保険料率が0.3%の業種だった場合、計算は以下のようになります。
1,000万円×0.3%=3万円
この場合、年間の労災保険料は約3万円となります。
一方で、建設業など労災リスクが高い業種では料率が高くなるため、同じ給与総額でも保険料負担が大きくなる可能性があります。
労災保険料率は会社の業種によって変わる
労災保険は、業種ごとの事故発生リスクを考慮して保険料率が設定されています。
| 業種 | 特徴 | 保険料率の傾向 |
|---|---|---|
| 事務・オフィス業 | 身体的な危険が比較的少ない | 低め |
| 小売業・サービス業 | 業務内容により異なる | 中程度 |
| 建設業・製造業 | 事故リスクが高い作業がある | 高め |
同じ人数の従業員を雇用していても、飲食店と建設会社では必要な労災保険料が異なることがあります。
そのため、自社の正確な保険料を知るには、業種区分と年間賃金総額を確認する必要があります。
労災保険に加入しない場合のリスク
労災保険は、原則として労働者を1人でも雇用する事業所は加入対象になります。加入義務があるにもかかわらず手続きを行わない場合、事業主にはリスクがあります。
例えば、未加入の状態で従業員が仕事中に大きなケガをした場合でも、労災給付が行われることがあります。その場合、事業主が本来負担すべき保険料や給付に関する費用を徴収される可能性があります。
従業員が安心して働ける環境を作るためにも、事業開始時には早めに加入手続きを行うことが大切です。
会社設立時や従業員を雇った時の手続き
会社を設立した場合や初めて従業員を雇用した場合は、労働基準監督署などで労災保険の加入手続きを行います。
一般的には、労働保険の成立届や概算保険料申告書などの書類を提出し、その後毎年保険料を申告・納付します。
手続きに不安がある場合は、社会保険労務士など専門家へ相談する方法もあります。
まとめ|労災保険料は業種と賃金額で決まり会社が全額負担する
会社が労災保険に加入する費用は、固定で決まった金額ではありません。従業員の年間賃金総額に業種ごとの労災保険料率を掛けて計算されます。
一般的な事務職中心の会社であれば年間数万円程度になるケースもありますが、危険作業を伴う業種ではそれ以上になる場合があります。
労災保険は従業員を守るだけでなく、会社自身を守るためにも必要な制度です。従業員を雇用する際は、費用だけでなく加入義務や手続きについても事前に確認しておきましょう。

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