従業員が勤務中や通勤中に負傷した場合、労災保険の手続きが必要になることがあります。しかし、会社側が従業員の同意を得ずに病院へ診断書を依頼したり、本人に代わって書類を作成したりすることが認められるのか疑問に思う方もいるでしょう。この記事では、労災保険の手続きにおける会社と従業員それぞれの役割や、個人情報の取り扱いについて解説します。
労災保険の手続きは誰が行うのか
労災保険の請求手続きは、基本的には被災した労働者本人が請求権者となります。
ただし、実務上は会社が必要書類を準備したり、事業主証明欄を記入したりして手続きをサポートするケースが一般的です。
そのため、会社が労災手続きに関与すること自体は珍しいことではありません。
会社が従業員の同意なく診断書を取得できるのか
診断書や診療情報は個人情報であり、医療機関には守秘義務があります。
通常、病院や薬局が本人の同意なく第三者へ診断書や診療内容を開示することはありません。
そのため、会社が従業員に無断で診断書の発行を依頼しても、本人の委任状や同意書がなければ交付されないケースが一般的です。
会社が本人の代わりに書類へ記入することは可能?
労災の請求書類には、労働者本人が記入する欄と事業主が記入する欄があります。
事業主欄については会社が記入できますが、本人が記載すべき事項を無断で記入したり、本人の署名を代筆したりすることは適切とはいえません。
特に本人の意思確認なく署名や押印を行った場合は、後にトラブルへ発展する可能性があります。
実際の労災手続きでよくある流れ
実務では次のような流れで進むことが多くなっています。
| 手続き | 主な担当者 |
|---|---|
| 事故報告 | 従業員・会社 |
| 診察・治療 | 従業員 |
| 労災請求書の作成 | 従業員・会社 |
| 事業主証明 | 会社 |
| 労働基準監督署への提出 | 従業員または会社 |
会社が提出を代行することはありますが、その場合でも本人への確認を行うことが望ましいとされています。
本人が知らないうちに労災申請された場合は?
もし従業員が知らない間に労災手続きが進められていた場合は、まず会社へ手続き内容を確認しましょう。
また、提出された書類の写しを確認し、自身の署名や記載内容に誤りがないかを確認することも重要です。
不明な点がある場合は、所轄の労働基準監督署へ相談することができます。
まとめ
労災保険の手続きでは会社がサポート役として関与することは一般的ですが、診断書などの医療情報を本人の同意なく取得したり、本人記入欄を無断で作成したりすることには注意が必要です。
診療情報は個人情報として保護されており、通常は本人の同意や委任が求められます。労災手続きに不安や疑問がある場合は、会社だけでなく労働基準監督署にも相談しながら進めると安心です。


コメント