建設業では近年、社会保険加入の徹底やCCUS(建設キャリアアップシステム)、グリーンサイトなどの導入が進み、一人親方として働く人にとって事務手続きの負担が大きくなっています。そのため、個人事業をやめて会社に所属することを検討する人も少なくありません。この記事では、一人親方から会社員へ転身する際の廃業届や確定申告、社会保険の取り扱いについて解説します。
建設業で一人親方を取り巻く環境が変化している理由
近年の建設業界では、技能者の適正な就業管理や社会保険加入の推進が進められています。
元請会社や大手ゼネコンでは、CCUSやグリーンサイトへの登録を求めるケースが増えており、個人事業主にも対応が求められる場面が多くなりました。
パソコン操作や各種登録手続きが苦手な人にとっては、以前よりも事務負担が大きくなっているのが実情です。
開業届を出していなくても廃業届は必要?
個人事業主として仕事をしていても、必ずしも開業届を提出しているとは限りません。
もし税務署へ開業届を提出していない場合は、厳密には廃業届を出さなくても大きな問題にならないケースがあります。
一方で、青色申告承認申請書を提出していた場合や事業として継続して申告していた場合は、廃業届を提出しておくことで税務上の整理がしやすくなります。
| 状況 | 廃業届の必要性 |
|---|---|
| 開業届未提出 | 必須ではない場合が多い |
| 開業届提出済み | 提出が望ましい |
| 青色申告を利用 | 提出推奨 |
会社に就職したら確定申告はどうなる?
年の途中まで一人親方として働き、その後会社員になった場合でも、その年の個人事業の所得については確定申告が必要です。
例えば1月から6月まで個人事業、7月から会社員になった場合は、個人事業の収入と経費を計算し、会社から受け取る源泉徴収票と合わせて申告します。
翌年以降に個人事業を完全にやめて会社員のみになれば、基本的には勤務先の年末調整だけで済むケースが多くなります。
会社員になると社会保険はどう変わる?
一人親方の場合は国民健康保険や国民年金に加入している人が多いですが、会社に所属すると健康保険と厚生年金へ加入するのが一般的です。
厚生年金は会社と本人で保険料を折半するため、将来の年金額が増えるメリットがあります。
また、労災保険や雇用保険などの保障も受けられるため、安定した働き方を希望する人には大きなメリットとなります。
一人親方を続ける場合と会社員になる場合の比較
どちらが良いかは人それぞれですが、近年は会社員を選ぶ人も増えています。
| 項目 | 一人親方 | 会社員 |
|---|---|---|
| 自由度 | 高い | 比較的低い |
| 事務負担 | 大きい | 少ない |
| 社会保険 | 自己管理 | 会社加入 |
| 収入の安定性 | 変動しやすい | 安定しやすい |
CCUSやグリーンサイト対応などの事務作業に負担を感じる場合は、会社所属の方が働きやすく感じることもあります。
会社員へ移行する際に確認したいポイント
会社へ入社する前に、現在の取引先との契約状況や未回収の売掛金がないか確認しておきましょう。
また、工具や車両など事業用資産を所有している場合は、今後も使用するのか売却するのか整理しておくことが大切です。
税務面が不安な場合は、税務署や税理士へ相談することでスムーズに移行できます。
まとめ
建設業界では社会保険加入やCCUS、グリーンサイトへの対応が進み、一人親方の事務負担は以前より増えています。個人事業をやめて会社員になる場合、開業届の提出状況によっては廃業届が不要なケースもありますが、その年の事業所得については確定申告が必要です。会社員になることで社会保険や厚生年金の保障が充実するため、自分の働き方や将来設計に合わせて判断するとよいでしょう。


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