PayPal決済はクレジットカード手数料と二重にかかる?店舗側の決済手数料の仕組みを解説

決済、ポイントサービス

ネットショップや店舗では、クレジットカード、PayPay、PayPalなど複数の決済方法を用意していることがあります。そこで気になるのが、購入者がPayPalを選び、そのPayPalの支払元としてクレジットカードを使った場合に、販売事業者が「PayPal手数料+クレジットカード手数料」を二重に負担するのかという点です。

結論からいうと、通常は、購入者がPayPal内でクレジットカードを使ったからといって、販売事業者へPayPalの決済手数料と、そのカード会社との直接契約による決済手数料が二重に請求される仕組みではありません。販売事業者から見ると、その取引の決済サービスは基本的にPayPalだからです。

ただし、決済代行会社やECプラットフォームを介してPayPalを導入している場合には、PayPal側とは別にプラットフォーム利用料や決済代行会社の料金などが発生することがあります。「カード手数料との二重払い」と「複数事業者から別々のサービス料金が発生すること」は区別して考える必要があります。

PayPalでクレジットカードを使っても店舗がカード会社へ直接払うとは限らない

例えばネットショップで1万円の商品を販売し、購入者が「PayPal」を選択したとします。さらに購入者がPayPalアカウントの支払方法としてクレジットカードを選んだとしても、販売事業者が直接そのクレジットカード番号を受け取り、自社のカード加盟店契約で処理しているわけではありません。

この場合、販売事業者にとってはPayPalを通じて受け取った商用取引です。PayPalの日本向け公式手数料ページでは、国内の商用取引を受け取る標準レートとして3.60%+固定手数料が掲載され、日本円の固定手数料は40円とされています。料金は変更される可能性があるため、利用時点の公式情報を確認してください。[参照:PayPalビジネスアカウントの手数料]

つまり「PayPal決済なのに、その裏側で購入者がVisaを使ったから店舗へVisa分の手数料がもう一度直接加算される」という単純な二重課金のイメージではありません。

直接クレジットカード決済とPayPal経由のカード決済は別ルート

購入画面に「クレジットカード」と「PayPal」が別々に表示されている場合を考えると分かりやすくなります。購入者がクレジットカードを直接選択すれば、ショップが契約しているカード決済サービスを通して処理されます。

一方でPayPalを選択した場合にはPayPalの決済として処理されます。PayPalの中で購入者がクレジットカードを利用していても、それはPayPal側の決済フローの中で処理されるものです。

購入者が選ぶ方法 販売事業者側で基本となる決済ルート
クレジットカード 店舗が導入しているカード決済サービス
PayPal PayPal
PayPay PayPayまたは導入している決済代行サービス

そのため、それぞれの決済手段には異なる料金体系が設定されていても、1件の売上に対してすべての決済サービスの手数料を足して支払うわけではありません。

1万円をPayPalで売った場合の考え方

PayPal公式サイトに掲載されている国内商用取引の標準レート3.60%+40円を単純な例として使うと、1万円の国内取引では3.60%部分が360円、固定部分が40円なので、計400円となります。実際の適用条件や税務上の取り扱いなどは契約・取引内容に応じて確認が必要です。

購入者がPayPal残高から支払った場合と、PayPalに登録したクレジットカードを支払元として選んだ場合について、「カードを使ったから販売事業者がさらに自社のカード決済手数料も払う」という計算をするわけではありません。

一方、海外取引では追加の割合手数料が設定されているほか、通貨換算が発生する場合もあります。PayPalは国内取引と海外取引で料金体系が異なるため、海外販売を行うショップではこの点も確認が必要です。

本当に料金が複数発生するケースはある

ここまでを見ると「二重払いはない」と考えたくなりますが、販売環境によっては決済関連のコストが複数発生すること自体はあります。

例えばECモールやネットショップ作成サービス、決済代行会社を利用している場合です。サービスによっては決済サービス自体の手数料とは別に、販売手数料、取引手数料、システム利用料、月額料金などが設定されています。

この場合は「PayPalとクレジットカード会社から同じ決済について二重にカード手数料を取られた」というより、PayPalの決済コストと、ECプラットフォーム等の利用コストがそれぞれ発生していると理解したほうが正確です。具体的な金額は利用しているECサービスや契約プランの料金表を確認する必要があります。

PayPayにも加盟店側の決済利用料がある

PayPayも「利用者が無料で使えるから店舗側も無料」というわけではありません。加盟店には契約内容に応じた決済システム利用料などがあります。

PayPayの加盟店向け公式情報では、PayPayが直接提供するスキャン支払いについて、PayPayマイストア ライトプラン未契約では決済システム利用料率1.98%、一定の条件を満たしてライトプランを利用する場合は1.60%と案内されています。いずれも税別で、契約形態によって条件が異なります。[参照:PayPay 決済システム利用料率]

ライトプランには月額利用料なども設定されています。したがって事業者が決済方法を比較するときは、単純な決済料率だけではなく、月額費用やその他のサービス料金まで含めて判断する必要があります。

なぜ店舗は手数料が違う複数の決済方法を用意するのか

決済方法によってコストが違うのであれば、一番安い方法だけを用意すればよいようにも思えます。しかし販売事業者にとっては、決済手段の豊富さそのものが購入率に影響する可能性があります。

例えば「クレジットカード番号をショップへ直接入力したくないのでPayPalを使いたい」という利用者もいれば、「普段からPayPayを使っているのでPayPayなら購入する」という人もいます。希望する決済方法がなければ購入そのものをやめてしまうケースも考えられます。

そのため多少手数料率が高い決済手段であっても、販売機会を増やすために導入するという経営判断があります。決済手数料は単なる損失ではなく、販売のために必要なコストという側面もあります。

決済手数料を比較するときは「誰と契約しているか」が重要

実際のショップでどのような手数料が発生するかを知りたい場合、画面に表示されている決済ブランドだけを見ても正確には判断できません。同じPayPalやPayPayでも、店舗が直接契約しているのか、別の決済代行サービスを経由しているのかによって料金体系が変わる可能性があります。

事業者側では、各決済について「決済手数料」「固定手数料」「月額料金」「振込・出金関連費用」「ECプラットフォーム側の取引料金」「海外決済・通貨換算関連費用」などを確認すると実質的なコストが分かりやすくなります。

また手数料率は改定されることがあります。古いブログ記事などの数字をそのまま使わず、PayPal、PayPay、契約中のカード決済会社、ECサービスの最新料金表を確認することが大切です。

まとめ:PayPal内でカードを使われても通常は単純な二重払いにはならない

購入者がPayPalを選択し、そのPayPalの支払元としてクレジットカードを利用したからといって、通常、販売事業者が「PayPal手数料+自社のクレジットカード決済手数料」を単純に二重払いする仕組みではありません。販売事業者から見ればPayPal経由の取引として処理されるのが基本です。

ただし、ECモール、ネットショップ作成サービス、決済代行会社などを介している場合には、PayPalの決済コストとは別にプラットフォーム側の取引手数料や利用料金が発生するケースがあります。ここは「カード手数料の二重取り」とは別の話です。

クレジットカード、PayPay、PayPalを導入する事業者は、それぞれの決済コストだけでなく、利用者の利便性や購入率まで含めて選択しています。実際にショップを運営する場合は、利用する決済サービスとECプラットフォーム双方の最新料金表を確認し、1件の売上から最終的にいくら残るかで比較すると分かりやすいでしょう。

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