給与明細を見た時に、「手取り19万円なのに厚生年金が3万円も引かれている」と驚く人は少なくありません。
ネットのシミュレーションではもっと安い金額が表示されることも多いため、「会社の計算が間違っているのでは?」と不安になるケースもあります。
しかし、厚生年金の金額は単純に手取りだけでは決まらず、標準報酬月額や賞与、社会保険の区分などによって変わります。
厚生年金は「手取り」ではなく「標準報酬月額」で決まる
まず重要なのは、厚生年金は手取り額ではなく、税金や保険料を引く前の「総支給額」を基準に計算されるという点です。
例えば、手取り19万円でも総支給が25万円〜30万円近いケースは珍しくありません。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 総支給 | 28万円 |
| 健康保険 | 約1.4万円 |
| 厚生年金 | 約2.5万円〜3万円 |
| 所得税・住民税 | 約2万円 |
| 手取り | 19万円前後 |
このように、手取りだけを見ると「年金が高すぎる」と感じても、総支給ベースでは普通の範囲ということがあります。
厚生年金が高く見える主な原因
厚生年金が想像より高くなる原因はいくつかあります。
1. 標準報酬月額が高い
残業代や各種手当が多いと、標準報酬月額が上がります。
厚生年金はこの等級によって決まるため、基本給より高く感じることがあります。
2. 4月〜6月の残業が多かった
社会保険料は、主に4月〜6月の給与平均を基準に決まる「定時決定」があります。
この時期に残業が多いと、その後1年間の保険料が高くなる場合があります。
3. 厚生年金基金などが含まれている
会社によっては、企業年金や基金制度が追加で控除されていることがあります。
給与明細では厚生年金としてまとめて表示されるケースもあるため注意が必要です。
本当に厚生年金だけで3万円なのか確認する方法
まずは給与明細を細かく確認してみましょう。
「厚生年金」という名前でも、実際には別制度が合算されている場合があります。
- 厚生年金保険料
- 厚生年金基金
- 企業型DC
- 確定給付企業年金
また、会社独自の控除名称になっている場合もあります。
不明な場合は、総務や給与担当に「標準報酬月額はいくらになっていますか?」と聞くと確認しやすいです。
厚生年金保険料の目安はいくら?
一般的には、厚生年金保険料は総支給額のおよそ9%前後が本人負担になります。
例えば総支給30万円なら、本人負担は約2万7千円程度です。
そのため、厚生年金だけで3万円近い場合、総支給は30万円を超えている可能性があります。
逆に、総支給20万円程度なのに本当に3万円引かれている場合は、一度確認した方が安心です。
ネットの計算と違う理由
ネットの社会保険シミュレーターは、地域や加入保険組合、介護保険の有無などを反映していない場合があります。
また、賞与込みで月額換算されているケースや、前年の標準報酬が適用されているケースもあります。
単純な「手取り→逆算」では正確に計算できないことが多いです。
将来の年金額にも影響する
厚生年金は負担が大きく感じやすいですが、その分、将来受け取る年金額にも影響します。
標準報酬月額が高いほど、老後の厚生年金受給額も増える仕組みです。
そのため、「ただ引かれて損」というより、将来の年金積立という側面もあります。
まとめ
手取り19万円でも、総支給額や標準報酬月額によっては厚生年金が約3万円になるケースはあります。
特に残業代や各種手当、4月〜6月の給与状況によって保険料は変動します。
まずは給与明細で「厚生年金以外の控除が含まれていないか」「標準報酬月額はいくらか」を確認すると、理由が見えやすくなります。

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