自動車保険(任意保険)には「等級制度」があり、事故を起こすと等級が下がり保険料が高くなります。その仕組みを悪用せずにリセットする方法はあるのか、家族を活用した再契約は合法なのか、複数契約中の等級影響についても実例を交えて解説します。
自動車保険の等級制度とリセットの仕組み
任意保険は1等級から20等級まで存在し、6等級からのスタートが基本です。初めて加入する場合や13ヶ月以上無保険状態が続いた場合、等級はリセットされます。ただし、過去の事故歴や加入履歴が保険会社に残るため、等級リセットでも「事故歴あり」として扱われる可能性があります。
つまり、13ヶ月以上空けて新たに保険契約をしても、事故歴があることが影響し保険料が割高になることがあるため、完全な“リセット”とは言えません。
別居家族を使った保険契約は合法か?
家族や別居親族の名義で契約し、契約者以外が主に運転するケースは、保険の「告知義務違反」に該当する可能性があります。任意保険では「主に運転する人(主たる運転者)」を正しく申告する義務があります。
たとえば別居の親が契約者で、実際に運転するのが子供だった場合、その事実を申告していなければ保険金が支払われないこともあります。契約上は可能でも、事故があった際に保険が適用されないリスクが非常に高いです。
複数契約車の事故は他契約に影響するのか
同一契約者が複数台の車を任意保険に加入している場合、基本的に事故があった車の等級だけが影響を受けます。他の契約に直接的な等級ダウンは発生しません。
ただし、複数契約の情報は保険会社で紐づいており、契約更新時などに「事故歴のある契約者」として総合的な審査が行われることがあります。
等級の回復方法と再スタートの注意点
事故で等級が下がってしまった場合でも、そのまま継続して無事故で3年間契約し続ければ元の等級に戻る可能性があります。焦って解約したり、他人名義にしたりするよりも、保険会社と相談しながら等級の回復を目指す方がリスクは少ないです。
また、等級を引き継げる「等級継承制度」もあるため、家族間で車を譲渡する場合は、この制度を正しく使えば合法かつメリットを活かせます。
まとめ:保険契約の裏技はリスクも高い
自動車保険の等級制度は複雑で、意図的に等級を操作するような方法はリスクを伴います。正しい手順で等級回復を目指すことが、保険の信頼性と安心を守る鍵です。
家族名義での契約や等級リセットを考える場合は、必ず保険会社や代理店と相談し、合法かつ保証対象となる方法を選びましょう。
コメント