仕事中の怪我で労災が振り込まれない?申請手続き・様式第5号・確認すべきポイントまとめ

保険

労災保険は、労働中や通勤中に起きたケガや病気に対して補償が行われる制度です。しかし、手続きの流れや必要書類が複雑で、適切に進められていないと給付が遅れたり、支給されないこともあります。今回は、労災が振り込まれない原因や対応策を実例を交えて解説します。

労災保険の基本的な流れを知っておこう

労災で病院にかかった場合、通常は次のような手続きの流れを取ります。

  • ① 会社が労災であると認める
  • ② 労働者が所定の申請書(様式第5号等)を医療機関に提出
  • ③ 会社が必要情報を記入して労基署へ提出
  • ④ 労働基準監督署の審査を経て給付が支給される

この中で様式第5号(療養補償給付たる療養の給付請求書)が重要な役割を果たします。これを医療機関が扱わない場合、患者が立て替えて支払い、後日「様式第7号(療養費用の支給請求書)」で自ら申請する必要があります。

2月から振込がないのはなぜ?想定される原因

2月上旬のケガにも関わらず、6月末時点で振込がない場合、以下の原因が考えられます。

  • 会社が申請手続きを怠っている(労基署に提出していない)
  • 様式第5号が医療機関から発行されていないため、労災適用手続きがストップ
  • 会社が「業務外」と判断し、労災申請自体をしていない
  • 書類不備や記載ミスで労基署で審査が止まっている

とくに、会社が様式第5号の交付を怠っている場合や、申請を渋っている場合は要注意です。労働者本人が気づかぬうちに、申請がされていないまま放置されているケースもあります。

まず確認すべきは「会社の対応」と「様式第5号」

最初に確認すべきポイントは以下の2点です。

  • ① 会社が労災申請をしているかどうか
  • ② 医療機関に様式第5号を提出し、労災扱いで治療してもらっているか

会社に連絡し、「様式第5号の提出は行ったか」「どのタイミングで労基署に出したか」などを明確に確認しましょう。また、医療機関が労災に非対応で自費で支払っている場合は、「様式第7号」での費用請求が必要です。

健康保険との違い・併用不可な場合に注意

労災と健康保険は制度が異なります。業務中のケガは原則として労災適用となり、健康保険を使ってはいけないとされています。

実際に健康保険で医療機関を受診した場合、あとから労災と認定されたとしても、健康保険組合に対して返還手続きが必要になることがあります。事業主が「面倒だから健康保険で行って」と言う場合もありますが、これは不適切な対応です。

実例:書類が出ていなかったことで6ヶ月支給が遅延

あるケースでは、現場作業中に手を切って通院治療を受けたものの、会社側が「書類を後で渡す」と言いながら放置。結局、労災申請が提出されたのは4ヶ月後で、支給されたのはさらに2ヶ月後という事例もあります。

その方は途中で労働基準監督署に直接相談し、会社への指導が入ったことでようやく支給されました。

解決のために取るべき行動

・まずは会社の労災申請状況と「様式第5号」の有無を確認

・医療機関が労災対応か、もし自費なら「様式第7号」の用意が必要

・申請が進んでいない場合は労働基準監督署へ直接相談

・会社が非協力的な場合は、厚生労働省の労災相談窓口も活用

まとめ:振込がないときは申請状況を自ら確認しよう

・労災の支給は会社と医療機関の書類提出が揃って初めて進む

・様式第5号がなければ支給はされない

・2月のケガで未振込なら、早急に会社と労基署へ問い合わせを

・健康保険と労災は併用不可。安易に健康保険で処理しない

放置しても労災は自動的には進みません。自身で動いて状況を確認することが早期解決への第一歩です。

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