転職時期が年末と重なると、「年末調整をどうするべきか」や「前職に副業や就業の事実がバレるのでは?」といった不安を感じる方も多いでしょう。特に有休消化中に次の会社で働く場合には、社会保険や税務の観点からも注意が必要です。この記事では、社会保険と税務、そして就業状況のバレるリスクについて具体的に解説します。
有休消化中の就業は法律違反ではない?
一般的に、有休期間中であっても法律上は在職中とみなされます。しかし、就業規則に「兼業・副業禁止」が定められている場合、有休中の他社就業は規則違反になる可能性があります。
一方で、有休中に他社で働くこと自体が違法というわけではありません。問題は「前職との契約内容」と「新会社との雇用開始日」との兼ね合いです。トラブルを避けるには、退職日以降に新たな会社での勤務をスタートさせるのが理想的です。
社会保険はどうなる?二重加入のリスクと実務
社会保険(健康保険・厚生年金)は、同時に2つの企業に加入することは原則ありません。退職日を明確にし、その翌日から新しい会社で加入するのが正しい流れです。
しかし、有休消化中に新たな会社で働いた場合、日付の重複が生じると「二重加入」と見なされ、保険者間で調整が必要になることがあります。
たとえば、現職の退職日が12月31日で、新会社の入社日が12月20日などになっている場合、保険証の返却や切替タイミングが重複し、勤務実態から加入の整理が求められることがあります。
年末調整はどうなる?自分で確定申告が必要な場合も
年末調整は「その年の最後に在籍していた会社」で行われるのが原則です。年内に退職して再就職しない場合は、自分で確定申告が必要となります。
本件のように、有休消化中に新しい会社で働き、年内に在籍している場合は、新しい会社で年末調整をしてもらうことが可能です。前職の源泉徴収票を提出すれば、問題なく処理されます。
前職にバレる可能性は?主に「住民税」に注意
一番バレやすいのは「住民税の特別徴収」によるケースです。翌年5月以降、前職の会社が住民税の特別徴収義務者になっていると、別会社からの所得が通知されてしまう可能性があります。
これを防ぐには、新しい会社で住民税の「普通徴収(自分で納付)」を選択することが有効です。市区町村役所に申請すれば、特別徴収の切替ができる場合があります。
実例:有休消化と転職のスケジュール例
たとえば、12月1日から12月31日まで有休消化とし、12月15日から新会社で就業を始めた場合。
- 社会保険:二重加入の可能性。退職日と入社日をずらすのが理想。
- 年末調整:新会社で可能(源泉徴収票を提出)。
- バレるリスク:住民税を普通徴収に切り替えておく。
多少手続きは増えますが、リスクは軽減できます。
まとめ:有休中の就業は慎重に。手続きとタイミングがカギ
有休消化中の就業は違法ではありませんが、退職日や社会保険の手続き、住民税の対応など、細かい点に注意が必要です。バレるリスクを減らすには「住民税の普通徴収」「退職日と入社日の明確化」「年末調整の正確な処理」がポイントです。
不安がある場合は、税理士や社会保険労務士に相談するのも有効です。
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