家族に家を買ってあげたい――親や祖母のために住宅をプレゼントする場合、気になるのが「贈与税」の有無と税務署に“バレる”仕組みです。この記事では、親と同居する場合や現金を渡して家を買わせるケースにおいて、贈与税が課税されるのかどうか、そして注意すべき点を具体的に解説します。
親と同居するために家を買う場合の贈与税の扱い
親と一緒に住む目的で自分名義の家を購入する場合、贈与税は通常発生しません。親が金銭的な利益を得ていない(=家の所有者が自分)ため、贈与には該当しないとされます。
ただし、登記名義を親と共有にしたり、実質的に親のために建てた家であると税務署が判断する場合は、贈与と見なされることもあります。登記や支払いの形がポイントになります。
祖母に家を「買わせる」形にする場合はどうなる?
祖母に現金を渡して、そのお金で祖母が家を購入した場合は、贈与税の課税対象になります。現金を譲り、そのお金で家を買うというのは明確な“金銭贈与”とされるからです。
仮に祖母名義で家を購入し、名義変更やローン返済の履歴がないにもかかわらず、あなたが資金提供していたとすれば、調査の対象になるリスクは十分にあります。
贈与税が「バレる」仕組みとは?
税務署は土地・建物の登記情報、固定資産税課税データ、金融機関の出金履歴などを通じて不自然な資金移動を把握できます。
特に以下のようなケースは注意が必要です。
- 収入がない高齢者が高額不動産を購入
- 購入資金に対して金融資産や収入が見合わない
- 第三者(子や孫)からの送金履歴がある
現金を渡しても「帳簿に残らなければバレない」とは限らないのが、税務の現実です。
年間110万円以下の贈与なら非課税
個人からの贈与については、年間110万円までは非課税です。これを利用すれば、数年に分けて贈与することで贈与税を回避できる可能性もあります。
ただし、名義預金と見なされると否認されるリスクがあるため、実際に通帳管理や出金権限を贈与された側が持っているかがポイントになります。
家族への住宅資金贈与に使える特例も
一定の条件を満たせば、住宅取得等資金の贈与税非課税特例を活用できる場合もあります。
ただし、この制度は「親から子」など一方向が原則で、あなたから祖母への贈与などには使えません。
まとめ:親との同居と祖母への贈与では大きく異なる
親と同居する目的での住宅購入は基本的に贈与税の対象外ですが、祖母に現金を渡して家を買わせる形は、税務上贈与と判断される可能性が高くなります。
税務署には多くの情報収集手段があり、金額が大きければ調査対象となる可能性も十分にあります。不安がある場合は、税理士など専門家に相談するのが安心です。
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