地震で隣家に被害が出たとき、自分の地震保険は使える?フェンスや構造物が原因の場合を解説

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地震によって自宅の構造物が倒れ、隣の家に損害を与えてしまった場合、自分の地震保険で補償できるのか気になる方は多いでしょう。とくに目隠しフェンスやブロック塀などの倒壊は、近隣トラブルに発展するケースもあります。この記事では、地震保険の補償範囲と隣家への損害に対する対応について詳しく解説します。

地震保険の基本的な補償内容

地震保険は地震・噴火・津波を原因とする損害に対し、自宅や家財の損害を補償する制度です。火災保険に付帯する形で契約されており、他人の財物に対する損害補償は対象外です。

たとえば自宅のブロック塀が地震で倒れて自宅が壊れた場合は保険対象ですが、隣の家を壊した場合の修理費用は基本的に補償されません。

隣家への被害は誰が責任を負う?

地震などの不可抗力による損害は、「不可抗力である以上、責任を問えない」というのが民法上の原則です(民法第709条等)。

つまり、自宅のフェンスが地震で倒れて隣の壁を壊しても、地震という予測不能な原因であれば法的責任は基本的に問われない可能性が高いのです。ただし、フェンスの設置や管理に明らかな過失がある場合は別です。

では、地震保険以外に補償手段はある?

こうした場合に考えられるのが、「個人賠償責任保険」や「特約保険」の存在です。火災保険に付帯されていることが多く、日常生活で他人に損害を与えた場合に補償されます。ただし、地震が原因の場合は補償対象外とされていることが多いので、契約内容の確認が必要です。

たとえば「地震危険補償特約」付きの個人賠償責任保険が存在すれば、隣家への損害も補償対象になる可能性があります。

具体例:倒壊したフェンスで隣家の外壁が損壊したケース

ケーススタディ:ある地震で自宅の木製フェンスが傾き、隣家の壁を傷つけた場合。地震保険の補償範囲は自宅の損害のみで、隣家の損害に対しては保険会社からの補償はなしでした。

結果として、フェンスの設置不良や管理不備がなければ損害賠償責任も問われず、話し合いで円満解決となりました。

地震への備えとフェンスの点検のすすめ

フェンスや塀が古くなっていたり、ぐらつきがある場合は地震時に倒壊しやすくなります。定期的な点検や補強工事が推奨されます。

近隣トラブルを避けるためにも、台風や地震といった自然災害前に「事前の点検」と「保険内容の確認」を心がけましょう。

まとめ

地震によって自宅の構造物が倒れ隣家に被害を与えた場合、自分の地震保険では原則として補償されません。不可抗力とみなされる地震由来の損害には責任が問われないことも多いですが、状況により異なるため、事前のフェンス点検と保険内容の見直しが重要です。

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