一度傷病手当金を受給した後に復職し、再度別の傷病で仕事を休むことになった場合、「再び傷病手当金をもらえるのか?」という疑問を抱く方は多いです。結論から言えば、一定の条件を満たせば再度の支給は可能です。ただし、同じ病気か別の病気か、復職期間の有無などがポイントになります。この記事では、復職後の別傷病による休職に関して、傷病手当金の再支給の可否や申請方法を解説します。
傷病手当金の基本的な支給要件
まず、傷病手当金の支給には以下の条件が必要です。
- 健康保険の被保険者である
- 業務外の病気やケガで労務不能である
- 連続して3日以上仕事を休み、4日目以降も仕事に就けない
- 休業中に給与の支払いがない、もしくは一定額を下回る
この条件に該当すれば、最長1年6か月間、支給が受けられます。ただし、これは「同一の傷病」に対しての上限期間です。
復職後に別の傷病で休んだ場合の扱い
復職後に別の傷病が原因で再度仕事を休んだ場合は、傷病手当金の再支給を受けることが可能です。この場合は新たな申請として扱われ、支給期間もリセットされます。
たとえば。
- 1回目:うつ病で3か月休職 → 傷病手当金受給
- 復職:1か月勤務
- 2回目:骨折で休職 → 別傷病として再申請可
このように、別の疾病・負傷であれば、新たな支給要件として判断されるのが原則です。
同一傷病での再休職の場合はどうなる?
一方、再度の休職理由が前回と同じ傷病(例:同じうつ病)である場合、「支給期間のカウントが継続される」ことになります。復職した期間が長くても、前回の支給開始日から1年6か月を超えない限り、その枠内での支給となります。
なお、一定期間(概ね1年以上)就労が継続し、症状が治癒・再発とみなされるようなケースでは、保険者の判断で「別の支給事由」として新たに認められる場合もあります。
申請の手続きと注意点
再度の申請には、前回と同様に以下の書類が必要です。
- 傷病手当金支給申請書
- 医師の意見書(別傷病であることが明確であること)
- 勤務先の証明(賃金支払いの有無など)
特に「別の傷病」であることがわかる診断名・医師の記載は重要です。記載が曖昧だと、前回の続きと見なされるリスクがあるため、診療科や医師の協力がカギになります。
復職後すぐに再休職する際のリスク
復職してからの勤務期間が極端に短い(数日〜1週間未満)の場合、保険者によっては「実質的には継続した労務不能」と判断され、前回の傷病手当金の延長として扱われることがあります。
このような事態を避けるには、主治医と職場の両方としっかり連携をとり、復職のタイミングや体調の変化について慎重に判断することが重要です。
まとめ
復職後に別の病気やケガで休む場合でも、傷病手当金は新たに申請することが可能です。前回とは異なる傷病であることを明確にし、必要書類をそろえて申請すれば、最長1年6か月の新たな支給期間が得られる可能性があります。ただし、同一傷病の場合や復職期間が短い場合は、継続支給と見なされる場合もあるため注意が必要です。医師・会社・保険者としっかり情報を共有しながら、安心して療養に専念できる体制を整えましょう。
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