近年、日銀の政策変更を背景に長らく低迷していた定期預金の金利にも徐々に変化の兆しが見られます。2024年にはマイナス金利政策の解除が行われ、一部の金融機関では定期預金の金利が0.2％〜0.3％台へと上昇しました。では今後、金利はさらに上がるのでしょうか？本記事ではその見通しと、私たちがどう備えるべきかを解説します。
定期預金金利の動きは政策金利に左右される
定期預金の金利は、基本的に日銀の政策金利と密接に連動します。2024年にマイナス金利が解除されたことで、市場金利もわずかに上昇し、銀行側も預金金利の見直しを行っています。
たとえば2023年には0.002%だったメガバンクの1年定期預金金利が、2024年には一部で0.2%程度にまで上昇した例があります。しかしこれは物価上昇率に対してはまだ十分とは言えず、あくまで「歴史的な低金利からの回復途上」という位置づけです。
今後の金利上昇の見通し
定期預金の金利が今後さらに上昇するかどうかは、日銀の追加利上げやインフレの持続性にかかっています。
- 日銀が今後も利上げを進めれば、預金金利も上がる可能性が高い
- ただし、日本の経済成長率が低いため、急激な利上げは期待しにくい
- 一方で海外（特にアメリカ）の金融政策も間接的に影響を与える
これらを踏まえると、年0.5％前後までは上昇余地があると見る専門家もいますが、それ以上の高金利を期待するには相応の時間がかかると見られています。
今、定期預金を組むべきか？
金利上昇を見越して今は預け入れを控えたいという方もいるかもしれませんが、以下のような工夫でリスクと機会を両立することができます。
- 短期の定期預金（3ヶ月〜6ヶ月）を選び、金利上昇のタイミングを逃さない
- ネット銀行や信用金庫など、高金利を提供する機関をチェック
- 一部を変動金利型商品（例：個人向け国債・変動10年）に振り分ける
定期預金は安全性が高い反面、インフレ時には実質的な資産価値が目減りするリスクもあるため、資産の一部としてバランス良く活用することが重要です。
上昇期待に賭けすぎず、複数の選択肢を検討
「金利が上がるかも」と期待する気持ちは自然ですが、貯蓄の全てを定期預金に預けるのではなく、資産全体の目的に応じて運用を分散させるのが賢い選択です。
たとえば。
- 3〜6ヶ月分の生活防衛資金は定期預金で保管
- 中長期的な資産形成はNISAやiDeCoで投資信託を活用
- 臨時出費には普通預金を活用し流動性を確保
こうした方法で、金利上昇による恩恵も得つつ、インフレやその他の経済変動にも柔軟に対応できます。
まとめ：金利はじわじわ上昇中、焦らず柔軟な戦略を
定期預金の金利は歴史的な低水準を脱しつつあり、今後も緩やかな上昇が期待されます。しかし急激な変化は見込みにくいため、短期の定期預金で様子を見る、または分散投資で備えるなどの柔軟な対応が求められます。今の経済環境を理解し、自分に合った資産管理を心がけていきましょう。
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