会社員や公務員として社会保険に加入した際、それまで加入していた国民健康保険(国保)の手続きや納付対応が不明確になることがあります。特に切り替え月が中途半端な時期だったり、納付書の到着が遅れると「支払っていいの?」「返金される?」と混乱する方も少なくありません。本記事では、国保から社保へ切り替えたときの納付方法や返金処理について、具体的なステップでご案内します。
国保の請求は年度単位、でも加入期間で課金
国民健康保険は、市区町村が前年の所得などをもとにその年度の保険料を計算し、通常は6月以降に納付書が届きます。納付書には、4月から翌年3月までの保険料が分割されて記載されますが、実際の請求はその年の「加入期間」に応じて日割り計算されます。
したがって、6月に社会保険へ切り替わっていた場合でも、4月~5月の2か月分の国保料は請求され、6月分以降は請求されないのが基本的なルールです。
納付書の「1期分」は支払うべき?
多くの自治体では、6月に届く納付書の「第1期分」は年度全体の概算額に基づいて作成されているため、たとえ6月で国保を脱退していても、最初の納付書には満額に近い金額が記載されていることがあります。
この場合でも、一旦その「1期分」を納付してから、後日市区町村側で保険料が確定され、差額が返金されるという流れが一般的です。納付せず放置しておくと延滞金が発生する恐れがあるため、納付書が届いたらまずは支払っておくのが安心です。
返金のタイミングと方法
差額の返金処理は通常、自動的に行われます。自治体によっては口座振込で返金されるか、還付通知が郵送されたうえで受け取りの手続きを案内されることもあります。
返金にはおおむね2~3か月かかるケースが多く、手続きの遅れや書類の不足があるとさらに時間がかかることもあります。不明点がある場合は市区町村の国保担当窓口に確認を取りましょう。
社会保険へ加入したことの届け出は必要?
社会保険へ加入すると、自動的に国保の資格喪失手続きが行われる場合もありますが、原則は自分で「国保脱退の届出」を提出する必要があります。健康保険証の写しなどを持参して、市区町村の窓口で手続きするのが確実です。
この手続きをしないと、不要な期間の国保料が請求され続けることになり、あとで返金を受けるのも手間になります。
実例:6月中に社保加入したケース
たとえば6月10日に社会保険へ切り替えた場合、国保は6月9日までが対象期間になります。このとき、納付書では6月末までの請求額が含まれることがあるため、いったん6月分も含めて支払ったうえで、後日6月10日以降の保険料が返金される流れとなります。
なお、返金の有無や方法は自治体ごとに違うため、「6月加入なら6月分は払わなくてよい」と自己判断するのではなく、納付しておいた方がトラブルを回避できます。
まとめ:一時的な納付と返金を前提に、確実な手続きを
国保から社保へ切り替えた場合、納付書は「とりあえず届いたものを支払う」が基本。あとで保険料が再計算され、差額が返金される流れが多いため、慌てず対応することが大切です。
不安な場合は、社会保険証を持参して市役所の窓口で正式な手続きを行いましょう。制度は複雑に見えますが、ルールさえ知っておけば損することなくスムーズに対応できます。
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