耕作放棄地を活用した太陽光発電は相続税対策として有効か？リスクと代替策を解説

相続税対策は早めの計画が重要です。特に現金資産が多い方にとっては、資産の形を変えることで評価額を圧縮する工夫が求められます。そこで注目されているのが、耕作放棄地を雑種地に変更し、太陽光発電を設置する方法です。本記事では、そのメリットと注意点、そして他に検討すべき選択肢について解説します。

耕作放棄地への太陽光設置の基本的な考え方

農地として活用されていない耕作放棄地を「雑種地」に地目変更し、太陽光発電設備を設置することで、資産の現金部分を減らしながら将来的な収入源とすることが可能です。土地の評価額も変わるため、相続税評価の面でも影響を与える可能性があります。

また、初期費用に数百万円〜数千万円を要するため、現金の減少による評価額圧縮にもつながるというメリットがあります。

たとえば、500万円の現金で太陽光設備を導入すれば、相続時点ではその現金が残っていないため、課税対象が減少することになります。土地の評価方法も雑種地として扱われ、路線価方式などで評価額を抑えられる可能性も出てきます。

しかし、この方法にはリスクもあります。たとえば以下のようなものです。

実際に、地目変更後に役所の評価額が上がったことで、結果的に税負担が増えたというケースもあります。事前に自治体や税理士と相談しておくことが重要です。

太陽光発電以外にも以下のような方法が比較的リスクの少ない相続税対策として有効です。

たとえば、3人の子どもにそれぞれ年間110万円ずつ贈与すれば、3年で990万円を非課税で移すことが可能です。こういった小さな対策も積み重ねれば大きな効果を生みます。

耕作放棄地に太陽光発電を導入することは、手元資金を減らしつつ収益も見込める魅力的な選択肢です。しかし、評価額の上昇や制度変更のリスクもあるため、税理士や不動産の専門家と相談しながら進めることが大切です。

相続税対策は一つに頼らず、複数の施策を組み合わせてバランス良く進めるのが成功のカギです。