経済的事情などにより国民年金保険料の免除申請をしたものの、後から「やっぱり払いたい」と思うことは少なくありません。実は、免除が承認された後でも保険料を支払うことは可能で、これは「追納(ついのう)」という制度に該当します。この記事では、国民年金の追納制度の概要や注意点について、具体例を交えてわかりやすく解説します。
追納制度とは?
追納とは、免除された保険料を後から支払う制度です。通常、免除期間から10年以内であれば追納することが可能です。追納することで、その分も年金受給額に反映されるため、将来の年金を増やす手段にもなります。
たとえば、2023年度に全額免除を受けた場合、2033年度末までに追納すれば年金額の計算にその年分が加算されることになります。
そのまま払ってしまっても大丈夫?
免除が承認されていても、いきなり納付書などで支払ってしまうと、通常の「当期納付」として処理されてしまう可能性があります。正しく追納として処理してもらうには、事前に年金事務所で「追納の申込」を行う必要があります。
この手続きを行うことで、過去の免除分として正しく処理され、将来の年金額に反映されます。
追納の手続き方法
- お近くの年金事務所に出向くか、電話で予約をして相談
- 追納申込書の提出(本人確認書類も必要)
- 日本年金機構から納付書が送付される
- 納付書を使って金融機関やコンビニで支払い
納付金額は、免除された当時の保険料に加えて「加算金(延滞金に近い)」が含まれる場合があります。
追納するメリットとデメリット
メリット:将来の年金額が増える、老齢基礎年金の満額受給に近づける、精神的安心感がある
デメリット:加算金がかかる、資金繰りに余裕が必要、年度をまたぐと追納できなくなる期間もある
実例:追納したケース
30代女性が、2年間の全額免除後に就職して安定したため追納を決意。年金事務所に問い合わせたところ、1年目は加算金なし、2年目分に約1,200円の加算金が発生。合計で約40万円弱を一括で支払い、将来の年金月額が約2,400円増加すると試算されました。
まとめ:追納はできるが正しい手続きを忘れずに
国民年金の免除が通った後でも、「追納制度」を利用すれば後から支払うことができます。ただし、そのまま納付書で支払ってしまうのではなく、年金事務所で追納申請を行うことが重要です。
将来の年金を充実させたい方や、経済的に余裕ができた方は、早めの追納を検討してみてはいかがでしょうか。
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