ドル建て終身保険の解約を検討するときに知っておきたいこと|返戻金の仕組みと賢いお金の使い方

生命保険

保険は将来の備えとして役立つ反面、仕組みが複雑でよく理解しないまま加入してしまうケースも少なくありません。特にドル建て終身保険は、外貨リスクや長期運用前提の性質があるため、短期間での解約には注意が必要です。本記事では、ドル建て保険の返戻金の仕組みや、積立NISAなど他の運用方法と比較した選択肢について解説します。

なぜ23万円払って13万円しか戻らないのか?

ドル建て終身保険は、初期の数年間は解約返戻金が大きく目減りする設計になっており、その理由は以下の通りです。

  • 初期手数料(販売・事務・為替コスト)が高い
  • 保険料のうち保障部分が差し引かれている
  • 運用利益が出るまでには長い期間が必要

たとえば、月1万円を23ヶ月支払っていても、契約初期は保険会社が受け取る手数料や死亡保障の原価が重く、元本割れになるのが一般的です。

短期解約によるデメリットとは?

✔️ 元本割れで返戻金が大きく減る
✔️ 外貨建てのため為替レートによる損失の可能性も
✔️ 再加入したいと思っても、年齢や健康状態で制限が出ることも

ただし、「今後も保険料を支払う余裕がない」「保険の目的が明確でない」という場合、早めに見直すのも選択肢のひとつです。

積立NISAへの切り替えは合理的か?

積立NISAは20年の非課税運用枠があり、月々の積立額も少額から設定可能。ドル建て保険のように保険料に占める保障部分がなく、すべて運用に回せるのが大きな特徴です。

たとえば、毎月1万円を年利5%で20年間積み立てた場合、約400万円に増える計算になります。

ただし、株式や投資信託は元本保証がなく、短期的な下落リスクもあるため、目的に応じて判断することが重要です。

将来の備えと保障のバランスをどう考える?

ドル建て終身保険は「保障」と「資産運用」のハイブリッド型ですが、保障を求めるなら定期保険、資産形成をしたいならNISAなどの制度で分ける方法も合理的です。

保障が本当に必要であれば、掛け捨ての定期保険と積立NISAを組み合わせて、目的ごとにコストとリターンを管理するのが効果的です。

相談先と見直しの進め方

現在の保険の内容が不明瞭な場合、公益財団法人 生命保険文化センターや保険ショップなど中立的な立場の専門家に相談することも有効です。

また、保険会社に連絡して「減額」「払済(はらいずみ)保険」など、解約以外の選択肢があるかも確認してみましょう。

まとめ

✔️ ドル建て終身保険の返戻金は契約初期に大きく減るのが一般的
✔️ 今後の支払い余力や目的を整理し、解約や運用先変更を検討
✔️ 積立NISAは資産形成に有効だが、リスクと期間を理解して利用
✔️ 専門家への相談も選択肢の幅を広げる鍵

焦って決断するのではなく、「何のために保険に入ったか」「今後の生活にどう活かすか」を明確にして、納得できる選択を目指しましょう。

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