パート勤務でも週30時間を超える労働をしていると、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入対象になる可能性があります。国民健康保険と厚生年金に個人で加入するケースと比較して、どちらが金銭的・将来的に有利なのかを検討していきます。
■ 社会保険の加入要件とパート勤務者の条件
社会保険に加入するには、原則として週所定労働時間が正社員の3/4以上、つまり30時間以上であることが必要です。
近年の法改正により、週20時間以上・年収106万円以上のパートタイマーも、勤務先の従業員数や継続雇用の見込みにより加入義務が生じるケースが増えています。
週36時間勤務であれば原則として社会保険加入が必須となります。
■ 社会保険に加入するメリット
1. 健康保険
会社と保険料を折半するため、実質的な負担が軽減されます。扶養家族のいる方であれば、扶養者の保険料負担がなくなるのも魅力です。
2. 厚生年金
将来の年金額に大きく影響します。国民年金だけでは老後の受取額は月6〜7万円ですが、厚生年金に加入することで受取額が増え、老後の安定につながります。
■ 現在の国保・国民年金の負担と比較
現在の支出は、国民健康保険が月額約50,000円、国民年金が17,000円。合計で67,000円近い負担です。
これに対し、社会保険料(健康保険+厚生年金)を仮に月20万円の収入と仮定すると、およそ28,000円〜35,000円前後(地域や保険料率による)に収まるケースも多く、保険料は会社と折半されるため大きく軽減されます。
■ 実例:社会保険加入による差額と効果
実際に、年収150万円でパートしていた方が社会保険に加入したことで、月額保険料が自営業時代の半分以下になったケースがあります。
また、老後の年金額では月3万円以上の差がついたとの報告も。
加入前は高額な国保と国民年金で家計を圧迫していたのが、社会保険加入により支出減+老後資金の積立増という「ダブルのメリット」が得られました。
■ 社会保険加入による注意点もある
社会保険加入により「配偶者の扶養から外れる」場合は、所得税や住民税にも影響することがあります。
しかし今回のようにすでに国保+国民年金に加入している場合、その心配は基本的にありません。
また、給与明細上で社会保険料が引かれるため、「手取りが減ったように感じる」という声もありますが、保険料の負担軽減と年金メリットで実質的には得になることが多いです。
■ まとめ:パート勤務でも社保加入は「将来の得」
現在のように週36時間勤務しているなら、社会保険への加入は原則必要であり、将来の生活設計を考えるとメリットが大きいです。
- 保険料の負担が会社と折半される
- 将来の厚生年金受給額が増える
- 健康保険の保障内容が手厚くなる
会社側と相談のうえ、できるだけ早く加入手続きを進めることで、支出も将来も安心につながります。
コメント