金額が大きくなると、多少の差が小さく見えてしまうことがあります。しかし、「84万円と96万円はほとんど変わらない」と思ってしまうのは注意が必要です。この記事では、12万円という差が実生活にどのような影響を与えるのか、心理的な錯覚を含めてわかりやすく解説します。
84万円と96万円の金額差とは?
まず単純な計算として、96万円 – 84万円 = 12万円の差があります。この12万円という金額は、日常生活で具体的にどのような価値があるかを考えると、決して「わずかな差」とは言えません。
たとえば、12万円あれば以下のようなことができます。
- スマートフォンの買い替え(ミドルレンジ機種)
- 1ヶ月分の生活費(単身者・節約志向)
- 国内旅行2泊3日(交通・宿泊費込み)
こうした現実的な金額感覚と照らし合わせれば、84万円と96万円の差は「気にする価値のある差」であることがわかります。
なぜ「ほとんど変わらない」と感じるのか?
これは「価格のスケール錯覚」によるものです。心理学的に、人は数値の絶対値ではなく、全体のスケールに対して差を感じる傾向があります。たとえば、100円のガムが120円になると「高くなった」と感じますが、84万円が96万円になっても「誤差の範囲」と感じてしまうのです。
特に大きな買い物や年収、資産などの話ではこの錯覚が強く働きます。自分の中で「高額なカテゴリ」に分類されてしまうと、相対的な感覚が鈍ってしまうためです。
月換算すればさらに見えてくる
12万円の差を1年(12ヶ月)で割ると、1ヶ月あたり1万円の差になります。これは以下のように身近なお金の使い方と一致します。
- スマホ代(格安SIM)
- NetflixやAmazon Primeなど複数サブスクの合計
- 週1回の外食費
つまり、12万円の差は「毎月1万円の自由が手に入る」ことに等しく、実はかなりのインパクトがあると言えます。
例:年収・支出・投資における影響
たとえば、就職や転職の際に「提示された年収が84万円と96万円で迷っている」といったケースでは、12万円の差は税引後でも約9〜10万円程度の手取り差が出ることがあります。
また、節約や投資の観点では、12万円を年利3%で運用した場合、10年後には約16万円になります。長期的な視点で見ても、この差は決して軽視できません。
どのように判断すべきか
金額の差を比較する際は、次の3つの視点で考えると冷静に判断できます。
- 相対的価値:全体の中での割合(例:84万円→96万円は約14%増)
- 具体的使用価値:その差額で何ができるか(旅行、貯金など)
- 長期的視点:将来の資産形成や生活に与える影響
感覚だけで「ほとんど同じ」と思わずに、具体的な数字に落とし込んで考えることで、より賢い判断が可能になります。
まとめ:12万円の差は小さくない
84万円と96万円の差は一見すると「誤差」に見えるかもしれませんが、実際には月換算でも1万円、日常生活や資産形成にも大きく関わる金額です。「スケールの錯覚」に惑わされず、冷静に数字を見つめることが、自分の納得できる選択へとつながります。
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