収入が増えることで、親の扶養から外れる必要が生じることがあります。特に年末調整や確定申告、健康保険・税金への影響も関係してくるため、正しい手続きが重要です。今回は、父親の扶養から外れる際に必要な手続きと準備すべき書類、提出先について詳しくご紹介します。
そもそも「扶養から外れる」とはどういうことか?
扶養とは、主に税制や社会保険制度上の制度で、親(扶養者)の所得税や住民税の控除に影響を与える「税法上の扶養」と、健康保険の保険料負担に関係する「社会保険上の扶養」に分かれます。
たとえば、年収103万円を超えると所得税上の扶養控除から外れ、年収130万円を超えると社会保険の扶養からも外れることになります。
税法上の扶養から外れるときの手続き
税法上の扶養に関しては、基本的に年末調整や確定申告で処理されます。あなたの収入が増えたことを父親が勤務先に伝え、翌年の年末調整時に扶養親族から外す手続きをします。
必要な対応は以下の通りです。
- 父親が勤務先に「扶養控除等申告書」を訂正して提出
- 翌年の年末調整で扶養控除が適用されなくなる
- 確定申告が必要な場合は適切に扶養親族を外して申告
社会保険上の扶養を外れる手続き
社会保険の扶養を外れるには、主に父親の勤務先の健康保険担当部署を通じて手続きを行います。以下のステップが必要です。
- 収入超過を証明する資料(給与明細、雇用契約書など)
- 健康保険被扶養者(異動)届の提出
- 扶養者(父親)の健康保険組合への申請
扶養を外れると、自分自身で国民健康保険に加入するか、新しい勤務先で社会保険に加入する必要があります。
自分自身の加入手続き|健康保険と年金
自分が勤務先で社会保険に加入する場合、基本的には会社が手続きを行ってくれます。しかし、フリーランスや短時間労働などで加入条件を満たさない場合は、次のような対応が必要です。
- 市区町村の役所で国民健康保険に加入手続き
- 同時に国民年金の加入手続きも必要(20歳以上)
手続きには以下の書類が必要です。
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 印鑑(認印可)
- 雇用証明書または収入証明書(場合によって)
実例:アルバイトで年収130万円を超えたケース
大学生Aさんがアルバイトで年収132万円を超えたため、父親の社会保険扶養から外れることに。父親は勤務先に扶養者変更届を提出し、Aさん自身は市役所で国民健康保険・国民年金に加入しました。
年収が月11万円を超える見込みがある時点で、早めの手続きを行うことが推奨されます。
手続きのタイミングに注意
税法上の扶養は1年間の年収に基づくため、年末近くまで猶予がありますが、社会保険の扶養は月単位で見られるため早めの手続きが必要です。収入が増えそうと感じたら、すぐに勤務先や役所へ相談しましょう。
まとめ|扶養から外れるときは父子それぞれの申請が必要
扶養から外れる際は、父親が勤務先へ扶養解除の申告を行い、本人は自ら保険や年金の加入手続きを行う必要があります。状況によって提出先や書類が変わるため、早めに確認・準備を進めることが重要です。公的機関や勤務先の総務担当に相談しながら、確実に手続きを行いましょう。
コメント