生命保険に加入するか、投資に回すべきか。この選択は多くの家庭で悩まれるテーマです。「掛け捨ての定期保険で必要最低限を確保して、あとはNISAで資産形成」という考え方は、近年の金融リテラシー向上に伴って注目される選択肢の一つです。本記事では、保険と投資をどう使い分けるべきかについて具体例を交えながら解説します。
掛け捨て保険とは?どんな役割を持つのか
掛け捨て型の定期保険は、一定期間のみ保障を受けるタイプの生命保険で、満期金や解約返戻金は基本的にありません。しかし、保険料が安く、大きな保障を持てるのがメリットです。
例えば、小さな子どもがいる家庭なら、万一に備えて20年間・死亡保障2,000万円の定期保険を掛けても月額3,000〜5,000円程度で済むこともあります。
なぜNISAが選ばれるのか
NISA(少額投資非課税制度)は、一定額までの投資利益が非課税になる制度です。特に2024年から始まった新NISAでは、年間最大360万円の投資が非課税枠で行えます。
学資保険の代わりにNISAを選ぶ家庭が増えている背景には、保険型商品よりも期待利回りが高く、自由度が高いという利点があります。
保険とNISAの両立は可能?
「保険と投資、どちらか一方だけ」と考えがちですが、実際には役割分担が明確であれば両立が理想です。
たとえば、以下のように振り分けることができます。
- 定期保険:万一の保障(例:死亡保障2,000万円)
- NISA:将来の学費・老後資金など長期的な資産形成
仮に月の家計から保険に5,000円、NISAに2万円を回すようにすれば、「保障」と「運用」の両方を効率よく取り入れることが可能になります。
学資保険 vs NISA:どちらが有利?
学資保険の返戻率は100〜110%程度である一方、NISAで投資信託に長期運用すれば、年利3〜5%の複利運用が期待できます。ただし、元本割れのリスクはあるため、家計全体のバランスが大切です。
また、学資保険は契約者が死亡した場合に保険料が免除されるという特典があります。このリスクを掛け捨て保険で代替できれば、NISA運用との併用も合理的です。
ケーススタディ:30代夫婦・子どもあり家庭の例
・世帯年収:600万円
・子ども:1人(3歳)
・現在の資産形成:NISA(月2万円)
この家庭では、子どもの学費対策として以下のように設計しています。
- 夫:定期保険(20年保障・死亡時2,000万円)→月額4,200円
- 妻:NISAで全世界株式型投信を積立 → 月額20,000円
このように「保険で保障」「NISAで運用」の住み分けができると、経済的な安心と将来の成長性の両方を得ることが可能になります。
まとめ:保険と投資は目的が違う、だから共存が正解
掛け捨て保険とNISAは、「保障」と「資産形成」という異なる役割を担っています。どちらが正解かではなく、どのように組み合わせるかが重要です。保険で最小限の安心を確保し、余剰資金を長期のNISA運用に回す戦略は、家計にも将来にも合理的といえるでしょう。
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