「夫が高年収だから共働きは必要ない」と考えるのは早計かもしれません。とくに子育てや住宅ローンなど大きなライフイベントを控えている家庭にとって、共働きには多くのメリットがあります。本記事では、年収1,000万円世帯でも正社員共働きが推奨される理由とその実際について解説します。
年収1,000万円の「手取り」はどれくらい?
まずは現実的な数字から確認しましょう。年収1,000万円と聞くと裕福に感じられますが、税金や社会保険料を差し引くと手取りはおよそ700万〜750万円程度です。
ここから住宅ローン、子どもの教育費、生活費、老後資金の積立などを考慮すると、「余裕がある」と言い切れない家庭も多いのが実情です。
子ども2人の教育費はどれくらいかかる?
文部科学省のデータによれば、子ども1人あたりの教育費(幼稚園〜大学卒業まで)は以下の通りです。
- 公立のみ:平均約1,000万円
- 私立混合:平均約2,000万円〜2,500万円
つまり、子ども2人で最大5,000万円程度の支出が見込まれます。これに加えて、習い事や塾費、受験費用などもかかります。
住宅ローンの負担は家計に重くのしかかる
住宅ローンの返済は、月額10万円〜15万円が一般的。35年ローンを組めば、総返済額は4,000万円を超えるケースもあります。
しかも固定資産税、メンテナンス費、保険料など住宅保有にかかるコストは毎年発生し、家計を圧迫し続けます。
共働きの最大のメリットは「リスク分散」
共働きは単に「収入が増える」だけでなく、夫の収入が万一減ったときのリスクヘッジにもなります。
- 病気や怪我による収入減
- 転職・リストラなどキャリア変動
- 急な支出(介護や家族の病気)への対応
こうした不測の事態に備えられるのが、共働き家庭の強みです。
育児と仕事を両立するためのサポート制度
正社員での共働きは大変そうに感じられますが、近年は以下のような制度やサポートも充実しています。
- 育児休業給付金
- 保育園・認定こども園の利用
- 在宅勤務・時短勤務制度
また、夫婦での家事・育児の分担が上手くいけば、負担は大きく軽減されます。
実例:共働きを続けてよかった家庭の声
実際に共働きを続けている家庭からは、以下のような声が聞かれます。
「子ども2人を私立中学に入れられたのは、私も働いていたからこそ」(40代女性)
「将来のためにNISAやiDeCoに積み立てができて安心」(30代男性)
収入が増えることで「選択肢」が広がり、精神的な余裕にもつながるようです。
まとめ:年収1,000万円でも、共働きは堅実な選択
年収1,000万円は確かに高所得ですが、子育てや住宅ローン、老後の準備を考えると「余裕がある」とは限りません。共働きを続けることは、家計の安定だけでなく、将来に向けた安心材料にもなります。
無理のない範囲で働き続ける選択は、賢明で現実的な家計戦略といえるでしょう。
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