会社を退職してから次の職場で働き始めるまでの間、社会保険の切り替えについて不安や疑問を抱く方は少なくありません。特に就職がすぐ決まっている場合、「国民健康保険に切り替える必要はあるのか?」という点は悩みどころです。この記事では、退職から再就職までの保険加入の流れと注意点をわかりやすく解説します。
退職したらすぐに国民健康保険へ切り替えるべき?
基本的に、会社を退職するとそれまでの「健康保険(社会保険)」の資格は退職日の翌日で喪失します。そのため、次の職場での入社日までに期間が空く場合は、その間の医療保険として「国民健康保険(国保)」に切り替える必要があります。
たとえ短期間であっても、保険の未加入状態は避けなければなりません。病気やけがで医療機関を利用した場合、全額自己負担になるリスクがあります。
すぐ再就職する場合は切り替え不要?
退職日の翌月から新しい会社で勤務を開始する場合、原則として国保への切り替えは不要です。新しい会社で8月1日から社会保険に加入できる場合、7月末退職であればブランクがなく、スムーズに社保が継続される形になります。
ただし、勤務初日=社会保険の加入日とは限らない場合もあります。企業によっては入社後一定期間(試用期間など)を経てから社保に加入するところもあるため、必ず内定先に「入社日から社会保険に加入できるか」を確認しておきましょう。
次の勤務が9月からの場合は要注意
もし再就職が9月1日からなど、退職から1ヶ月以上空く場合は、その空白期間(例:8月)については確実に国民健康保険に加入する必要があります。
この場合、8月分の国保保険料は月割りで発生します。たとえ月末だけの加入であっても1ヶ月分が請求されるケースが多いため、手続きが遅れないよう注意が必要です。
保険未加入は法律違反になる?
日本ではすべての国民に何らかの医療保険制度への加入が義務づけられています。未加入の状態は「違法」ではあるものの、罰則はありません。しかし、医療費の全額自己負担や、後日保険に加入した際の高額な保険料の請求など、経済的なリスクが非常に大きくなります。
例えば、未加入期間中に緊急入院した場合、数十万円〜百万円単位の医療費を請求される可能性もあります。後から遡って加入することもできますが、保険料はその期間分すべて支払う必要があります。
健康保険の任意継続という選択肢もある
退職後にしばらく無職の期間がある場合、「健康保険の任意継続被保険者制度」を利用することで、最大2年間、前の会社の健康保険を継続できます。ただし、保険料は全額自己負担(約2倍)になるため、国民健康保険と比較してどちらが安いかを確認するのがポイントです。
任意継続の申請は退職後20日以内に行う必要があります。これを過ぎると申請できないため、早めの判断が求められます。
まとめ:退職後は必ず何らかの保険に加入しよう
退職から再就職までの間は、たとえ数日でも「無保険状態」にならないよう、確実に手続きを進めることが重要です。
再就職がすぐ決まっていて、かつ新会社での社会保険加入が確定している場合は、国保への切り替えは不要です。一方で、1ヶ月以上空く場合や、加入日が未定の場合は、念のために国民健康保険の手続きを行っておく方が安心です。
保険制度は複雑に見えますが、自身の状況に合った制度を正しく活用することで、不安のない転職期間を過ごすことができます。
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