育児休業中に収入が減少するなかで「扶養手当」が支給されるのかどうかは、家計を左右する重要なポイントです。育児休業中は給与が支給されないため、扶養手当の扱いがどうなるのかを制度に基づいて整理してみましょう。
扶養手当の基本的な仕組み
扶養手当とは、一定の条件を満たす配偶者や子どもなどを扶養している場合に、給与に上乗せして支給される手当です。支給対象や支給額は勤務先の就業規則や人事院規則、共済組合ごとの定めによって異なります。
多くの場合、扶養手当は給与の一部として位置づけられており、給与が支給されることが前提となっています。よって、育児休業中で「給与」が支給されない場合、扶養手当も支給対象外となるのが一般的です。
育児休業中の給与と育児休業手当の違い
育児休業中の収入源として支給されるのが「育児休業手当金」です。これは共済組合や雇用保険制度によって給付されるものであり、給与とは異なる性質を持ちます。
つまり、育児休業手当金が支給されていても、それは「給与」ではないため、扶養手当の支給条件である「給与支給」が満たされないと見なされ、手当も停止される可能性があります。
実際の支給状況:公務員や民間企業の違い
たとえば国家公務員の場合、人事院規則により育児休業中は扶養手当の支給が停止される旨が明記されています。地方公務員や教職員なども同様で、育休中は扶養手当の支給が止まるケースがほとんどです。
一方、民間企業の場合は就業規則や労使協定により異なるため、勤務先の人事や総務に確認することが確実です。中には独自の制度で一定額を支給し続ける企業も存在します。
扶養手当の停止と再開のタイミング
一般的には、育児休業が始まった月から扶養手当が支給停止となり、復職して給与が再開されたタイミングで支給も再開されます。この際、復職届などの提出が必要となるケースがあります。
また、育休明けに扶養対象者に変更があった場合(例:子どもが生まれた、配偶者の収入条件が変わったなど)、再度の申請が必要となることもあるため注意が必要です。
実例:共済組合における取り扱い
ある共済組合の事例では、次のように定められています。
- 育児休業中は給与支給がないため扶養手当も不支給
- 育児休業手当金の支給は関係なし
- 復職後に支給再開、事務手続き要
このように、共済組合の規定によっても明確に区別されているため、自身の所属する団体の規定を事前に確認しておくことが重要です。
まとめ:育児休業中は扶養手当が止まるのが基本
・扶養手当は「給与」の一部であり、育休中の育児手当とは別枠
・育児休業中は給与支給がないため、基本的に扶養手当は停止
・復職後に再開される場合が多いが、手続きが必要なことも
・勤務先の規定や所属共済組合のルールを事前に確認しておくことが大切
収入が変動しやすい育児休業中だからこそ、手当の扱いや支給の仕組みを正しく理解し、将来の家計に備えることが安心につながります。
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