銀行に預けた普通預金には、所定の利率に基づいて利子(利息)が支払われますが、その仕組みや計算方法について誤解されやすい部分もあります。この記事では、利子のつき方の仕組みと、利息支払日前に残高をゼロにした場合の影響についてわかりやすく解説します。
普通預金の利子は「毎日の残高」に応じて日割りで計算される
普通預金の利子は、基本的に「毎日の最終残高(1日1回)」をもとに日割り計算で積み上げられます。そして年に2回(通常は2月と8月)にまとめて支払われます。
つまり、利子の支払日当日の残高がゼロであっても、それまでの預金期間があれば、その分の利子は支払われるというのが原則です。
利子の計算方法と支払時期
利子の計算は「付利単位100円未満切り捨て」「税引き後利息15.315%課税」「1年365日基準」などのルールに基づいて行われます。
たとえば、100万円を6か月間預けていた場合、その期間の平均残高に対して利率が日割りでかかり、年2回の利払い日に合算されて支払われます。支払日直前に残高をゼロにしても、支払日以前の積算が消えるわけではありません。
利子がつかない可能性があるケース
ただし、次のような場合は利子がつかない、あるいはごくわずかになることがあります。
- 残高が常に100円未満だった(日割り対象外)
- 預金期間が非常に短い(数日~数週間)
- 利率が低すぎて税引き後に1円未満になった
特に最近の超低金利環境では、100万円預けても半年の利子が数十円程度ということもあるため、気づかないうちに「利子がついていない」と感じることもあります。
実例:100万円を預けていたが支払日前日に引き出した場合
たとえば、以下のようなケースを考えてみましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
預金額 | 1,000,000円 |
預入期間 | 2024年8月21日〜2025年2月19日(182日) |
引き出し日 | 2025年2月20日(利払い前日) |
利率 | 年0.001% |
この場合、支払日前日に全額を引き出していても、182日分の利子は残っており、2025年2月21日の利払日に反映されます。ただし支払時点で残高がゼロであれば、利息も即座に引き出し不可能になるので、通帳に記載されても気づかないケースもあります。
通帳や取引履歴を確認してみよう
利子は「利息」「利子」「普通預金利息」などの名目で記載されるため、通帳やアプリの取引履歴を確認することで実際に支払われているかを確かめられます。銀行によっては利子発生日と入金日がずれることもあります。
残高がゼロでも、過去の残高実績があれば利子は支払われます。反映されない場合は「100円未満切り捨て」や「税引きで0円」などの要因も疑ってみましょう。
まとめ:預金残高ゼロでも利子は原則支払われる
普通預金の利子は、その支払日直前に残高がゼロでも、それまでに一定の残高があった場合は日割りで計算された利子が支払われます。ただし金額が非常に少ない場合や、税引き後に1円未満となると、実際に振り込まれない場合もあるため注意が必要です。
利子の付き方について不明な点がある場合は、口座を開設している銀行のカスタマーサポートに問い合わせてみるのもよいでしょう。
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