年金受給者が亡くなった場合の手続きガイド：基礎年金と遺族厚生年金を受給していた場合の対応

家族が基礎年金と遺族厚生年金を受給していた場合、その方が亡くなった際には、年金の停止や未支給年金の請求といったいくつかの手続きが必要になります。この記事では、その際に必要な手続きや注意点を丁寧に解説します。

まず行うべきこと：年金事務所への連絡

受給者が亡くなった場合、最初に行うべきことは日本年金機構または年金事務所への連絡です。死亡届出書の提出や、必要書類の案内を受けることができます。年金の支給を止めるためには迅速な連絡が求められます。

電話または直接窓口で、受給者の基礎年金番号やマイナンバーなどを伝え、死亡日を報告しましょう。その後、具体的な提出書類や期限などの案内があります。

年金の受給停止には「年金受給権者死亡届（報告書）」を提出します。あわせて「死亡診断書のコピー」や「年金証書」も必要です。

さらに、受給者の死亡後に支給された年金について、未支給年金の請求が可能な場合があります。これには、「未支給年金請求書」や「相続人の本人確認書類」などの添付が必要になります。

未支給年金とは、受給者が死亡した月までの支給対象となるが、まだ受け取っていない年金です。例えば、6月15日に亡くなった場合、6月分までの年金が支給対象となります。

未支給年金は、同居していた配偶者や子など、受給者の生計を同じくしていた親族が請求できます。ただし、受給順位がありますので、複数の相続人がいる場合は注意が必要です。

受給停止の手続きと未支給年金の請求は、同時に行うのが効率的です。別々に行うと時間がかかり、二度手間になる恐れがあります。

そのため、死亡届と未支給年金請求書は同じ窓口で提出することが推奨されています。また、年金事務所では必要書類の様式も配布しており、職員が記入方法をサポートしてくれることもあります。

受給者が遺族厚生年金を受けていた場合、その受給理由が消滅すると（たとえば、再婚など）、その年金も終了します。

ただし、受給者の死亡により、新たに別の遺族が遺族年金（例：遺族基礎年金や寡婦年金など）を請求できる可能性があります。配偶者や子どもが条件に該当する場合は、新たに年金受給資格が生じる可能性があります。

例えば、70代の母が基礎年金と遺族厚生年金を受給中に亡くなり、娘が手続きを担当した事例では、未支給年金として約1か月分の年金を受け取ることができました。死亡届と同時に提出することで、手続きもスムーズに完了しました。

一方で、手続きを怠り数か月分の年金を誤って受け取ってしまったケースもあります。このような場合、後日返還を求められるため、必ず速やかに届け出ましょう。

年金を受けていた家族が亡くなった際には、年金受給停止と未支給年金の手続きを速やかに行うことが大切です。必要書類や対応内容は日本年金機構の公式サイトでも確認できます。

不安な場合は、日本年金機構の「年金受給者が亡くなったときの手続き」ページを確認するか、最寄りの年金事務所へ相談に行くのが安心です。