入院中の医療処置として「PICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)」を導入されるケースが増えています。この処置は、点滴を継続できない場合や血管が脆弱な方に対して用いられ、患者さんにとっては大きな安心材料になります。しかし、このPICC挿入が医療保険の手術給付金の対象となるのか、疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、その該当性や申請方法について詳しく解説します。
PICCとはどのような医療処置か
PICCとは「Peripherally Inserted Central Catheter」の略で、腕の静脈から中心静脈(心臓近くの太い血管)までカテーテルを挿入する医療処置です。主に長期的な点滴や薬剤投与が必要な患者に使用され、安全性や感染リスクの低減に優れています。
局所麻酔下で行われることが多く、処置そのものは入院中の一環として医師の判断で実施されます。
PICC挿入は保険の「手術」に該当するか?
結論から言えば、多くの医療保険ではPICCの挿入は「所定の手術」に該当する可能性があります。ただし、それには保険会社の給付対象手術一覧に「中心静脈カテーテル挿入術」や「経皮的中心静脈カテーテル挿入術」が含まれている必要があります。
保険の種類や契約内容によって異なるため、契約書類や給付条件一覧を確認し、該当の術式コード(例えばK610など)があるか確認しましょう。
給付金請求のための具体的なステップ
- 入院先の病院から「診療明細書」や「診断書」を入手する
- 医師に術式名を明記してもらう(例:「中心静脈カテーテル挿入術(PICC)」)
- 保険会社に連絡し、給付申請書類を取り寄せる
- 必要書類を添えて申請する
このとき、「局所麻酔で行った処置」であっても手術扱いになる可能性があるため、自己判断せず、必ず保険会社に確認することが重要です。
申請時の注意点とよくある誤解
「手術」と聞くと開腹や切開を伴う処置を想像する方が多いですが、医療保険の定義では「医療行為として定められた処置」であれば、内視鏡やカテーテルの挿入なども該当することがあります。
一方で、術式名が曖昧だったり、保険会社の規定から外れる処置名の場合、給付対象外となることもあるため、できるだけ正確な術式名で診断書を作成してもらいましょう。
実際のケース:給付金が支払われた事例
たとえば、ある40代女性がPICCを挿入された際、医療保険会社Aの給付対象リストに「K610 中心静脈カテーテル挿入術」があり、診断書にその術式名が明記されていたため、無事に5万円の手術給付金を受け取ることができました。
このように、術式コードの記載と保険内容の整合が大きなポイントとなります。
まとめ:PICC挿入は保険請求できる可能性大。まずは契約内容を確認
PICCは手術に該当する可能性が高く、給付金を受け取れるケースも少なくありません。ただし、保険会社ごとに認定基準が異なるため、契約内容をしっかり確認したうえで、医師と相談しながら適切な書類を準備することが重要です。わからない場合は、早めに保険会社の窓口に相談することをおすすめします。
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