退職に伴って健康保険証を会社に返却する必要がありますが、通院中の治療や退職日以前の診療内容に影響しないか不安に思う方も多いでしょう。特に歯科治療のように数回に分けて行う医療サービスの場合、保険証の返却時期と治療時期の関係は非常に重要です。この記事では、退職時の保険証返却にまつわる疑問と、医療費の自己負担を避けるために押さえておくべきポイントを解説します。
退職日までは保険証が有効
会社を退職する場合、健康保険証は退職日の翌日から無効になります。つまり、8月31日付けで退職する場合は、8月31日まではその保険証を使って医療機関を受診することが可能です。
仮に8月10日に歯科を受診していれば、その診療に対しては保険適用となります。その後、8月12日に会社に保険証を返却しても、8月31日までの過去の受診記録には影響しません。
保険証を返却しても過去の診療には影響しない
重要なのは、保険証の返却と保険の「有効性」は別である点です。たとえ早めに保険証を返却したとしても、退職日までは健康保険の資格が有効です。そのため、8月10日時点で保険が有効であれば、後日その診療費を「自費扱いに切り替える」といったトラブルは基本的に起こりません。
ただし、医療機関が保険証の有効性を確認するタイミングで「無効」になっていた場合は注意が必要です。保険証に「退職済」などの通知が届いていれば、窓口から連絡が来る可能性もあるため、診療日と退職日を明確に伝えておくと安心です。
歯科医院側に伝えておくとトラブル回避に
保険証を早めに返却する場合、念のため、歯科医院に「〇月末で退職予定で保険証は手元にないが、〇月〇日受診時点では保険が有効だった」と伝えておきましょう。これにより、後日「保険が無効でした」という誤解による請求を避けることができます。
また、医療機関側でレセプト(診療報酬明細)提出後に保険者から問い合わせが来た場合でも、当日の保険加入証明を会社から取得できれば、トラブルを回避できます。
退職後の医療費負担に備える選択肢
退職後に通院が続く場合や医療費が発生する可能性がある場合は、以下のいずれかの方法で保険加入を継続する必要があります。
- 任意継続被保険者制度(元の会社の健康保険に最長2年間加入可能)
- 国民健康保険への加入(市区町村で手続き)
- 配偶者や親などの扶養に入る場合
これらの選択肢を早めに検討しておくと、退職直後の医療費負担も安心です。
まとめ:退職と保険証返却は別と考えよう
退職予定日より前に保険証を返却しても、その返却日ではなく退職日までが保険の有効期間です。8月10日に受けた診療については、8月31日まで保険が有効である限り、自己負担を求められることは基本的にありません。
念のため受診先に保険の有効日や退職日を伝えておくと、誤解によるトラブルを防げます。安心して治療を終えられるよう、情報はきちんと整理して伝えるようにしましょう。
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