ダブルワークと扶養の壁:社保に入らず賢く働くための年収と制度の基礎知識

社会保険

パートやアルバイトで働く中で「扶養内に収めたい」「ダブルワークしたいけれど年収の壁が気になる」という悩みを持つ方は少なくありません。特に社会保険への加入は大きな分岐点となるため、制度の基礎知識を理解しておくことが重要です。

「扶養の壁」とは?種類とそれぞれの意味を解説

扶養の壁には主に「103万円」「106万円」「130万円」の3種類があります。それぞれの金額は異なる税制・保険制度に関わっており、混同しやすいので区別して覚えておきましょう。

  • 103万円の壁:所得税の扶養控除に関わる。本人の年収が103万円以下なら所得税が発生しない。
  • 106万円の壁:勤務先が従業員数101人以上で、週20時間以上などの条件を満たすと、社会保険の加入対象になる。
  • 130万円の壁:上記の106万の条件に当てはまらなくても、年収130万円以上になると「配偶者の扶養(健康保険)」から外れて、自分で社会保険に加入する必要が出てくる。

ダブルワーク時の収入は合算されるのか?

重要なのは「社会保険の扶養判定」では、複数の職場からの収入は合算して判断されるという点です。

たとえば、A社とB社それぞれから月5万円ずつ受け取っていても、合計で月10万円、年収120万円とみなされます。従って、ダブルワークであっても「トータルの年収が130万円を超えると扶養から外れる」という点は変わりません。

社会保険加入の基準と「加入しないための働き方」

社会保険加入の条件は以下の通りです。

  • 勤務先の従業員が101人以上
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が88,000円以上(年収106万円以上)
  • 継続して1年以上勤務の見込み

ご質問のように、両方の勤務先が51人以下である場合は、106万円の壁に引っかかる可能性は基本的にありません。ただし、それでも年収130万円を超えると「社保に加入しなければならない」という判断になります。

住民税・所得税は気にしなくていいの?

ご本人が「住民税・所得税を払っても構わない」と考えている場合、103万円や106万円を気にする必要はありません。重要なのは「扶養から外れて社会保険の自己負担が発生するかどうか」という点です。

社会保険の自己負担は月額で約1.5万〜2万円ほどになる場合もあるため、これが発生すると手取りが大きく減ってしまいます。

実例で見るダブルワークの年収計算

例:A社で月5万円、B社で月6万円稼いだ場合
→ 年収:5万円×12ヶ月 + 6万円×12ヶ月 = 132万円

→ 社会保険加入の必要あり(扶養から外れる)

→ 一方、A社5万円 + B社5万円 = 120万円 → 扶養内可能

まとめ:ダブルワークでも扶養内に収めるには年収130万円以下を目安に

ダブルワークで収入を増やす場合、年収の合計が130万円を超えるかどうかが、扶養の可否を左右する大きなポイントです。

両方の職場の従業員数が51人以下であれば、106万円の壁は基本的に気にしなくてOK。ただし、合計年収が130万円を超えると、配偶者の扶養を外れ、健康保険と年金の両方を自分で負担する必要があります。

収入を増やしたいが社保には入りたくないという方は、2つの職場を合わせて年収130万円以下に調整するよう心がけましょう。

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