ゆうちょ銀行での本人確認と高齢者の通帳管理における注意点

高齢の親が持つ銀行口座の管理について、不審な支出や本人確認に不安を感じる方は少なくありません。特に通帳と印鑑が一緒に保管されている場合、不正利用が起きやすい状況が生まれます。この記事では、ゆうちょ銀行の窓口での本人確認の実態や、高齢者の通帳管理におけるリスクとその対策について解説します。

ゆうちょ銀行の窓口では本人確認は行われているのか？

ゆうちょ銀行では、原則として通帳と印鑑があれば現金の引き出しが可能です。ただし、引き出し金額が高額であったり、職員が不審に感じた場合には、本人確認書類の提示や、追加の質問を求められることがあります。

したがって、年齢や性別による確認が常に行われるわけではなく、明確な本人確認が省略されるケースも実際に存在します。これは特に高齢者にとってはリスク要因となりえます。

高齢者が通帳と印鑑を一緒に保管している場合、家庭内での無断引き出しや、第三者による窓口での出金が起こる可能性があります。名前と印鑑が一致していれば、窓口ではそのまま手続きを進められてしまうこともあるため、非常に注意が必要です。

たとえば、親族や訪問介護者が通帳と印鑑を利用して本人になりすまし、気づかれないまま出金が繰り返される事例も報告されています。

こうしたリスクに対応するため、ゆうちょ銀行では近年、高齢者口座の取引に対する本人確認の強化を進めています。具体的には、70歳以上の顧客が高額取引をする際に身分証提示を求めたり、郵便局公式サイトに記載された通り、代理人取引には専用の委任状が必要とされます。

また、不正が疑われる場合は、「本人による申告」によって調査が行われる制度も存在します。家族として気になる取引があった場合には、すぐに支店に相談するのが望ましいです。

家族が口座の取引履歴を確認して、不審な引き出しや支出を発見した場合は、直ちにゆうちょ銀行に申し出ましょう。本人確認が不十分だった場合、銀行が責任を負う可能性もあります。

また、警察への相談や、金融ADR（裁判外紛争解決制度）の活用も検討することで、不正行為の解決に繋がることもあります。

ゆうちょ銀行では本人確認は状況によって変わりますが、通帳と印鑑が揃っていれば取引ができてしまう現実もあります。高齢の親を守るためには、本人だけでなく家族の積極的な管理や見守りが不可欠です。通帳管理の見直しや、定期的な確認を行い、安全な資産管理を目指しましょう。