65歳からの年金受給を繰り下げることで、将来的に年金額が増えることは多くの人にとって魅力的な選択肢です。しかし、年金受給開始年齢を70歳に繰り下げた場合に、月収65万円という高収入がどのように影響するかについては多くの疑問があるかもしれません。この記事では、年金繰り下げ受給と収入の関係について、特に「老齢厚生年金の全額支給停止」について詳しく解説します。
1. 年金繰り下げ受給とは？
年金の繰り下げ受給とは、年金受給開始年齢を65歳以降に遅らせることで、月々の年金額が増える制度です。通常、65歳で年金を受け取ると定額の年金額が支給されますが、受給を繰り下げることで、年金額が最大で1ヶ月あたり0.7%増加します。例えば、70歳で年金を受け取る場合、5年間の繰り下げで約42%増えることになります。
しかし、この繰り下げ受給にも条件があり、収入による制限もあります。特に高収入の場合、年金が支給停止になる可能性があるため、その点を十分に理解しておくことが重要です。
2. 月収65万円と老齢厚生年金の支給停止
月収65万円という高収入がある場合、年金受給にどのような影響を与えるのでしょうか？実は、一定以上の収入があると、年金の支給が停止されることがあります。この制度は「年金の支給停止」と呼ばれ、主に「在職老齢年金制度」に基づいています。
在職老齢年金制度では、65歳以上で働いている場合、収入によっては年金額が減額されたり、全額支給停止となったりします。具体的には、年金受給中に月収が一定額を超えると、年金が支給停止されることがあります。月収65万円の場合、この基準を超えているため、年金が全額支給停止になる可能性が高いのです。
3. 在職老齢年金制度の支給停止基準
在職老齢年金の支給停止基準は、収入の合計額によって決まります。具体的には、65歳以上の方が働いている場合、収入と年金額を合算した額が一定の上限を超えると、年金が全額支給停止される仕組みです。
2023年現在、年金受給者の年金額と収入が合計で月額47万円を超えると、年金が支給停止になることがあります。つまり、月収65万円がある場合、老齢厚生年金は全額支給停止になる可能性が非常に高いです。
4. 繰り下げ受給をしても支給停止は避けられるのか？
年金を繰り下げて受け取る場合でも、月収が基準を超えていると年金の支給が停止される点は変わりません。繰り下げ受給によって年金額が増加するメリットはありますが、収入が一定以上であれば、支給される年金額がゼロになることもあります。
繰り下げ受給をする場合、年金が支給されることを期待しても、月収が高いために年金の支給停止となる可能性があることを認識しておく必要があります。高収入の方が年金を受け取るためには、収入額を調整する方法も検討する必要があるかもしれません。
5. まとめ：高収入と年金受給の関係を理解する
年金を繰り下げて受け取る選択肢は、長期的に見ると大きなメリットがありますが、高収入の場合は老齢厚生年金の支給停止に注意が必要です。月収65万円の場合、年金が全額支給停止になる可能性が高いため、繰り下げ受給を検討する前に収入とのバランスをよく考えることが大切です。
もし年金の支給を受けたい場合、収入を調整する方法や、支給停止を回避する方法についても併せて検討することをおすすめします。年金制度は複雑であり、状況によって大きく変わるため、専門家に相談することも一つの手段です。
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