夫の扶養に入ったまま働く場合、「社会保険の壁」を超えてしまうと扶養を外れてしまうことになります。特に、年収が103万円を超える場合、社会保険の適用条件を満たすかどうかが重要です。本記事では、社会保険の加入条件や、扶養を維持できるかどうかについて詳しく解説します。
社会保険の加入義務が発生する条件
社会保険(健康保険・厚生年金)の加入義務が発生するのは、以下の条件をすべて満たした場合です。
- ① 所定労働時間が週20時間以上
- ② 月額賃金が8万8000円以上(年収106万円以上)
- ③ 雇用期間が2カ月を超える見込み
- ④ 学生でない
- ⑤ 勤務先が従業員数51人以上(または50人以下でも労使合意のある会社)
これらの条件をすべて満たすと、会社の社会保険に加入しなければなりません。
今回のケースは扶養のままで大丈夫?
今回のケースでは、②③④⑤の条件を満たしていますが、①週20時間の労働時間がギリギリという点がポイントになります。
1. 週20時間勤務の場合、社会保険の加入義務は?
社会保険の加入義務は「週20時間以上の勤務」が条件です。今回の勤務形態は以下のとおりです。
- 1日4時間 × 週5日 = 週20時間
この場合、「週20時間以上」の条件を満たしていると判断され、社会保険の加入が必要になる可能性があります。
2. 年収110万円でも扶養に入れる?
健康保険の扶養基準は、「年間収入130万円未満(月額108,333円以下)」が原則です。
- 今回の収入:月96,000円 × 12カ月 = 年収1,152,000円
- 130万円未満なので、健康保険の扶養にはとどまれる
ただし、勤務先の社会保険加入条件を満たしている場合、会社の社会保険に加入する必要があります。
扶養を維持するための調整方法
もし扶養のままでいたい場合、以下の方法で調整できます。
1. 週の労働時間を19時間以下にする
社会保険の加入基準は「週20時間以上」です。週19時間以下に抑えれば、扶養のままでいられます。
例。
- 1日3時間50分 × 週5日 = 週19時間30分
- 1日4時間 × 週4日 = 週16時間
2. 月収を88,000円未満にする
社会保険の加入条件には、「月収88,000円以上」という基準があります。勤務日数を調整し、月収を8万8000円未満に抑えることで、扶養を維持できます。
3. 従業員50人以下の会社に勤務する
現在の社会保険の加入基準では、従業員51人以上の企業で働く場合に加入義務が発生します。もし、従業員50人以下の会社で働いているなら、社会保険の加入義務はありません。
まとめ
今回のケースでは、週20時間勤務のため、社会保険の加入義務が発生する可能性があることに注意が必要です。
- 年収110万円なら健康保険の扶養にはとどまれる(130万円未満)
- ただし、週20時間以上勤務していると、勤務先の社会保険に加入しなければならない可能性あり
- 扶養を維持したい場合、週19時間以下または月収88,000円未満に調整
扶養を維持するか、社会保険に加入するか、働き方を調整しながら最適な選択をしましょう。
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