高齢者施設入居中にかかる費用と残金の考え方|年金収入と支出のバランスを整理

年金

高齢者施設に入居しているご家族の残金や費用の見通しについては、不安や疑問を抱く方が多くいます。特に介護や医療に関わる費用は見えにくく、年金収入がある中でも残金がどう推移するのか分かりづらいものです。この記事では、高齢者施設に入居している方が亡くなるまでの間に想定される費用や収支の関係、そして施設職員の発言の背景にある考え方について解説します。

■ 高齢者施設で発生する費用の内訳とは

高齢者施設で発生する主な支出には以下のようなものがあります。

  • 月額利用料(居室費・食費・管理費など)
  • 医療費や薬代
  • 介護保険の自己負担分
  • 消耗品や日用品の費用
  • 施設退去時の清掃・修繕費

特に介護度や医療対応の内容により費用は増減し、一般的に月額15〜25万円程度かかることが多いです。施設の種類(特養、有料老人ホーム、グループホーム等)によっても異なります。

■ 祖父の年金と預貯金の収支バランスを整理する

ご質問のように、お祖父様が年金を2ヶ月に一度受け取っている場合、年金は継続的な収入源として施設費用の支払いに充てられます。ただし、施設利用料は月々発生するため、年金支給のタイミングと支出タイミングがズレることには注意が必要です。

たとえば、月額利用料20万円、年金月額18万円の場合、月2万円が預金から補填される計算となり、入居が長引くと預貯金の残高は徐々に減少していきます

■ なぜ施設職員は「残金が減る可能性がある」と言うのか

施設職員が「80万円は現時点の残金であり、今後減る可能性がある」と伝えるのは、年金だけでは施設利用料をカバーしきれない場合があるからです。入院や医療処置が増えれば医療費の自己負担も増加し、介護度が上がれば介護保険の利用割合も変わります。

また、年金受給の停止(死亡後)と最終支払いのタイミングにズレが生じることもあるため、入金よりも支出の方が一時的に上回る期間が発生する可能性があります。

■ 実際の残金シミュレーション例

例として、お祖父様の年金が月18万円、施設利用料が月21万円だった場合。

収入(年金) 支出(施設費等) 差額 預金残高
初期 800,000円
1ヶ月目 0円 210,000円 -210,000円 590,000円
2ヶ月目 360,000円 420,000円 -60,000円 530,000円
3ヶ月目 0円 210,000円 -210,000円 320,000円

このように、年金が定期的に入っても毎月の支出が大きいため、預金が目減りしていく様子がわかります。

■ 親族として確認しておくべきポイント

施設費用が年金で賄えているかを確認するには、以下の点をチェックすると良いでしょう。

  • 施設の月額利用料の明細と支払いスケジュール
  • お祖父様の年金受給額と支給月
  • 預貯金の残高と管理方法(家族が把握できているか)
  • 入院や医療対応の可能性とその費用

必要であれば、ケアマネジャーや施設の相談員と面談をして、現時点での収支の見通しについて資料をもとに確認することもおすすめです。

■ まとめ:年金があっても残金が一定とは限らない

年金が定期的に入るからといって、預貯金の残高が一定に保たれるとは限りません。特に、施設費用が年金を上回る場合は、預金から補填され続けるため、長く生きれば生きるほど残金は減っていく可能性が高いのです。

施設側の説明は、その現実的な可能性を念頭に置いたものであり、家族としては収支の見通しと費用の内訳を丁寧に把握することが重要です。

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