高価な宝石や貴金属を購入する際、「将来価値がある」「いざというときに換金できる」と考える人も少なくありません。しかし実際に売却するとなると、想像よりも低い査定額になることが多いのが現実です。今回は、ゴールドやダイヤモンドを買取店で売却したときの価格の傾向や、投資として考えた場合のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
ゴールド(純金)の売却価格は比較的安定している
ゴールドは「地金価格」が毎日更新されており、比較的透明性の高い市場が存在します。特に純金(24金)のインゴットや金貨であれば、売却時も相場価格に連動した金額で買い取られやすいです。
たとえば2024年現在、1gあたり1万円前後で取引されているため、100gの金塊なら100万円前後の買取も可能です。ただし、店舗によっては手数料やスプレッド(買値と売値の差)が数%発生する場合もあります。
ジュエリーとしての金やダイヤは半額以下も珍しくない
指輪やネックレスなど、装飾品としての金製品は、地金部分のみが査定対象となるケースが多く、デザインやブランドが評価されないと買取額が大きく下がります。特にノーブランドのジュエリーは、購入価格の1~3割程度の査定額になることもあります。
ダイヤモンドの場合、4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)に加え、鑑定書の有無が大きく影響します。購入価格が数十万円だったとしても、数万円にしかならないケースも多く、ジュエリー全体で「半額以下」になるのは珍しくありません。
買取価格を少しでも高くするコツ
- 複数の業者で査定を取り比較する
- ブランド品なら専門の買取店を選ぶ
- 箱・証明書・鑑定書などの付属品を揃える
- 宅配買取やオンライン査定を併用して相場感を掴む
また、金は高騰時期を狙って売却することで、買値以上の利益になる可能性もあります。ダイヤは相場が読みにくいため、無理に急いで売るより「売らない前提」で保有するのもひとつの考え方です。
ゴールド・ダイヤモンドは本当に投資向きか?
ゴールドはインフレ対策や有事の資産保全として保有する価値があります。価格変動が比較的安定しており、ETFなど金融商品としても扱いやすい点が魅力です。
一方、ダイヤモンドは市場価格の透明性が低く、需要の変動や査定基準のバラつきが大きいため、投資目的ではなく「装飾品」「趣味の一環」として持つのが無難です。
実際のケース:買取店での価格差
ある方が30万円で購入したダイヤモンドのリングを一般的な買取店で査定したところ、提示された金額は「7万円」でした。内訳を見ると、ダイヤ本体の価値は3万円、リング部分の金属(18金)が4万円という結果でした。
別の買取業者では同じ商品が「12万円」の査定額となり、ブランド価値も多少評価されたようです。このように店舗ごとの差は大きく、慎重な業者選びが重要になります。
まとめ:ゴールドとダイヤは用途に応じて考えるべき
ゴールドは相場が明確で、現金化しやすい資産です。ダイヤモンドは価値の見極めが難しく、投資としては不向きとされています。買取価格は購入時の半額以下になることも多いため、「売る前提」での購入ではなく、「保有して楽しむ」「将来の備え」として考えるのが賢明です。
もし資産形成や投資目的で購入を検討しているのであれば、金地金や金融商品としての金投資(例:金ETFなど)の方が合理的です。
コメント