傷病手当金が支給されないときの対応方法|会社が書類を送らない場合の対処法と法的手段

社会保険

傷病手当金は、病気やけがで働けない期間中の生活を支える大切な制度ですが、実際には「会社が書類を出してくれない」「労務士が動いてくれない」などのトラブルも少なくありません。本記事では、傷病手当金の支給が滞る場合に考えられる原因や、会社・労務士が対応しないときの具体的な対処方法、最終的に取り得る法的手段まで詳しく解説します。

傷病手当金の仕組みと申請の流れ

傷病手当金は、健康保険(主に協会けんぽ)から支給される給付金で、連続する3日間の待機期間を経て、4日目以降に支給されます。申請には「本人記入欄」「医師記入欄」「事業主記入欄」が必要であり、会社を経由して提出されるケースが大半です。

したがって、会社や社労士が書類を提出しない限り、支給は保留されます。協会けんぽに直接出すことは基本的にできません。

会社や社労士が対応しない場合のよくあるケース

以下のような理由で書類が進まないケースが見られます。

  • 社労士が忙しく処理を後回しにしている
  • 会社内での確認が滞っている
  • 会社が制度自体に非協力的
  • 悪意ある放置・嫌がらせ的な対応

特に小規模事業所や人事制度が整っていない企業では、労務手続きがずさんな場合もあります。

まずやるべき具体的な対処方法

まずは、書類が協会けんぽに届いていない事実を会社に明確に伝えることが重要です。その際には口頭ではなく、証拠が残るメールや書面で行いましょう。

加えて、労務士や人事担当者宛に「〇月〇日までにご対応いただけない場合は、第三者機関への相談を検討いたします」と記載することで、真剣度を伝えることができます。

会社が協力しない場合に相談すべき外部機関

以下のような機関に相談することで、会社に対して指導が入ることがあります。

  • 労働基準監督署: 傷病手当金自体は労基署の所管ではないが、休職中の労務対応としての相談が可能
  • 都道府県労働局の総合労働相談コーナー: 無料で労使トラブルに対応
  • 全国社会保険労務士会連合会: もし社労士の対応が問題であれば、苦情を申し立てることができる
  • 協会けんぽ(健康保険組合): 書類が届かない旨を再度報告し、指導要請を依頼

これらの外部機関は、個人でも無料で相談できるため、状況が改善しない場合は積極的に利用すべきです。

法的措置を検討する場合のポイント

あまりにも長期間にわたって会社が申請書類を出さない場合、民事的な責任追及も視野に入ります。弁護士への相談や、内容証明郵便を送ることで、会社側に強くプレッシャーをかけることが可能です。

実際に「損害賠償請求(遅延による実損害)」が認められた判例もあるため、生活に支障が出ている場合は法的対応の準備を検討してもよいでしょう。

まとめ:早期の書面対応と外部相談で状況を動かす

傷病手当金が支給されない場合、会社や社労士の怠慢が原因となっていることも少なくありません。放置せず、早期に証拠を残しながら書面での対応を行いましょう。

それでも動かない場合は、労働局や社労士会、法的機関へ相談し、適切な圧力をかけることが解決への近道になります。大切なのは、泣き寝入りせず、自分の権利を守るための行動を早めに起こすことです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました