社会保険料の金額は「いつの給与」をもとに計算されているのか、毎年気になる方も多いのではないでしょうか。特に“4〜6月に支給された給与”が基準になるという話を耳にしたことがある人は多いはずです。この記事では、標準報酬月額や定時決定の仕組み、支給日と勤務月の違いを明確にしながら、社会保険料の計算がどう行われるかを丁寧に解説します。
📌社会保険料は“標準報酬月額”で決まる
社会保険料(健康保険・厚生年金)は、給与の実額ではなく、標準報酬月額(等級制)という仕組みに基づいて計算されます。
標準報酬月額とは、給与や手当などの合計額を一定の幅で区切り、等級ごとに定められた金額です。これに保険料率をかけて、従業員と会社が折半で負担します。
🗓️毎年の見直しは“4月〜6月支給分”が基準
社会保険料の定時決定(年1回の見直し)は、4月〜6月に「実際に支給された給与」の平均で決まります。これは翌年3月まで続く基準額です。
たとえば、
- 3月勤務→4月支給
- 4月勤務→5月支給
- 5月勤務→6月支給
という給与体系なら、4月・5月・6月支給分が対象になります。働いた月ではなく、給与が実際に「支給された日」で判断されます。
💡「働いた月」ではなく「支給日」で判定される理由
社会保険の定時決定では、会社が社会保険事務において把握しやすい“支給日ベース”で処理されます。
そのため、「○月分の給与」ではなく「○月に支払われた給与額」が評価対象です。たとえ3月分の給料であっても、支給日が4月なら“4月支給”としてカウントされます。
📊計算の流れと具体例
例:月末締め翌月25日払いの会社で、4月25日・5月25日・6月25日にそれぞれ支給された給与が
- 4月支給:280,000円
- 5月支給:300,000円
- 6月支給:290,000円
→合計870,000円 ÷ 3ヶ月 = 平均290,000円
→標準報酬月額は“等級18”(290,000円)となります。
※日本年金機構の報酬月額表により判断
✅例外:随時改定(月変)や入社・退職時は別ルール
定時決定以外にも、「随時改定(月変)」と呼ばれる制度があります。これは大幅な給与変動があった際、4ヶ月目から保険料が変わるというものです。
また、入社直後(4月〜6月入社)や退職間近で定時決定に満たない場合は、「資格取得時決定」や「月割り算出」で個別に標準報酬月額が決まります。
まとめ
社会保険料は、“4月〜6月に支給された給与の平均額”をもとに決まります。勤務した月ではなく“支給日”が基準になる点がポイントです。給与体系ごとの支給日を確認し、将来の保険料変動にも備えておくことが、安心な家計管理に繋がります。
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