パートやアルバイトで働く際、毎月の給与明細に「所得税」が差し引かれていて驚いた経験はありませんか？年間103万円以内に収入を抑えているつもりでも、月収に応じて一時的に税金が引かれることがあります。しかし、これは払い損になるわけではなく、条件を満たせば「年末調整」や「確定申告」で返金されるケースもあるのです。
パートでも所得税が引かれる理由とは？
月々の給与が8万8,000円を超えると、源泉徴収義務が発生するため、会社側は所得税を前もって差し引いて納税します。これは「源泉徴収」と呼ばれる仕組みで、年収ベースで課税・非課税を判断する前に、毎月の収入に応じた税率で徴収されるのが特徴です。
たとえば、月収89,000円であっても、会社が扶養控除等申告書を提出していなかったり、週の勤務時間が一定以上で社会保険に加入していれば、所得税が引かれる場合があります。
年間103万円以内なら基本的に返金される
年間所得が103万円以下の場合、所得税はかからないとされています。したがって、年間収入がこの範囲内であれば、引かれた所得税は年末に調整または還付される可能性が高いです。
会社で年末調整が行われる場合は、そこで清算されます。もし、年末調整が行われないアルバイト先や複数の勤務先がある場合は、自分で確定申告を行えば払いすぎた税金が戻ってきます。
年末調整と確定申告の違いと注意点
年末調整： 主に1つの会社に勤めている人が対象。会社が本人に代わって年間の所得と税額を精算してくれます。必要な書類（扶養控除申告書など）を提出していない場合は年末調整されず、自分で確定申告する必要があります。
確定申告： 年末調整されなかった場合、自分で税務署に申告して所得と納税額を精算する手続きです。特にアルバイト・パートの人は、「還付申告」として、2月前から提出可能です。
どのように返金されるのか？
年末調整や確定申告で税額が調整されると、払いすぎた税金が銀行口座に振り込まれる形で返金されます。確定申告をした場合は、通常1か月〜1か月半程度で還付されます。
手続きの際には、源泉徴収票、マイナンバー確認書類、還付金振込口座の情報などを準備しておくとスムーズです。
実際の例：所得税が戻ってきたケース
たとえば、年間を通じて月収89,000円で働いた場合、年間収入は約106万8,000円となり、103万円を少し超える計算です。しかし、そこから基礎控除や社会保険料控除などがあるため、実際の課税所得はもっと少なくなります。
最終的に課税される金額がゼロまたは少額となれば、年末調整や確定申告によって、引かれた所得税が還付されることになります。
まとめ：パート勤務の所得税は年間収入で見直される
月々の給与から所得税が引かれていたとしても、年間103万円以内に収入を抑えている場合は返金される可能性が高いです。会社で年末調整が実施されない場合は、自分で確定申告を行いましょう。
源泉徴収された税金を「払い損」とあきらめる前に、仕組みを理解しておくことで、手取りアップにつながる可能性があります。毎年の収入をしっかり把握し、無駄な税金を取り戻しましょう。
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