失業保険の賃金算定における「直近6カ月」の意味とは?空白月がある場合の取り扱いを詳しく解説

社会保険

失業保険(雇用保険の基本手当)を受給する際、給付額の算定に使用される「直近6カ月の賃金総額」について、収入のない月がある場合はどうなるのか疑問を持つ方も多いでしょう。特に派遣労働者の場合、就業の空白期間が発生しやすいため、この点を正しく理解しておくことはとても重要です。

失業保険の賃金日額はどうやって決まる?

失業保険の基本手当は、「賃金日額 × 給付率」によって1日あたりの支給額が決定されます。この賃金日額は、離職前6カ月間の賃金総額を180で割って計算されます。

ここでの「賃金総額」とは、原則として離職日直前の6カ月間に支払われた給与の合計です。ただし、この6カ月は「賃金が支払われた月」のみをカウントする点がポイントです。

収入のない月は6カ月に含まれるのか?

答えは「含まれません」。賃金日額を算定する際に使用されるのは、賃金の支払い実績があった月に限定されます。つまり、1カ月間派遣先がなく収入ゼロであった場合、その月は「6カ月」のカウントには入りません。

たとえば、以下のような賃金支払実績がある場合。

支払有無
10月
9月
8月
7月 ×(収入ゼロ)
6月
5月
4月

この場合、7月(収入ゼロ)は除外され、10月〜4月のうち収入があった直近の6カ月分で算定されます。

同じ派遣元でも空白期間があれば除外される

派遣元が同じであっても、派遣先の切れ目によって収入のない月が発生した場合、その月の賃金が0円であれば算定対象から除外されます。

重要なのは、「雇用関係が継続していたか」ではなく、「賃金が支払われていたか」です。たとえ社会保険の加入が継続されていたとしても、賃金支給がなければ算定対象外となります。

賃金証明の提出はどうなる?

賃金証明書や離職票に記載される賃金情報は、実際に支払われた給与明細や勤怠記録をもとに作成されます。離職票の記載内容が不正確な場合は、ハローワークでの手続き時に修正を依頼することも可能です。

実際に「収入ゼロの月が6カ月のうちに1カ月あったが、他の月で計6カ月分が埋まっていたため問題なかった」というケースも報告されています。

まとめ

失業保険の算定における「直近6カ月」とは、「離職日以前に賃金の支払い実績がある月を6カ月集める」という意味です。派遣で1カ月間収入がなかった場合、その月は除外され、実際に給与が支払われた6カ月分で計算されます。派遣社員やフリーターの方など、就業状況が不定期な方ほど、賃金算定の仕組みを正しく理解しておくことで、正当な受給に繋がります。

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