遺族年金の『報酬比例部分』とは?仕組みと計算の考え方をわかりやすく解説

年金

老後の生活設計や終活を進める中で、遺族年金の仕組みや支給額の内訳を理解することは非常に大切です。特に「報酬比例部分」とは何か、またその計算方法や影響をしっかり把握しておくと、将来の備えに大きな安心感が生まれます。

遺族年金にはどんな種類があるのか

遺族年金には大きく分けて「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがあります。今回のテーマとなる『報酬比例部分』は、主に厚生年金に加入していた方が亡くなった場合に遺族へ支給される「遺族厚生年金」に関係します。

遺族厚生年金は、原則として被保険者の報酬に応じて決定される部分であり、遺族に支給される額は被保険者の受給見込額の4分の3が目安です。

「報酬比例部分」とは何を指すのか

「報酬比例部分」とは、厚生年金保険の受給額のうち、加入者の現役時代の給与や賞与を基にして算出される部分を意味します。この部分は以下のように計算されます。

  • 平均標準報酬額 × 乗率(7.125/1000など) × 加入月数

つまり、保険料の納付実績と収入が大きく関係しています。経過的加算は別枠で支給されるものであり、「報酬比例部分」とは明確に区別されます。

経過的加算とはどういうものか

経過的加算は、老齢厚生年金を満額受給できない人への補足的な加算制度であり、報酬比例部分の金額が少ない方に支給される制度です。したがって、遺族年金の支給額においては、報酬比例部分とは切り離して考える必要があります

遺族厚生年金の支給額は、報酬比例部分の金額 × 3/4で計算され、その中に経過的加算は含まれません。

実例:夫が会社員だった場合の遺族厚生年金の試算

たとえば、夫が月給30万円、賞与年60万円で40年間勤務していた場合、報酬比例部分の金額は概算で年額90万円前後になるとします。

その場合、妻に支給される遺族厚生年金は年額約67万円(90万円 × 3/4)程度が見込まれます(税引き前、あくまで参考値)。

遺族年金の注意点と申請のポイント

遺族年金は自動的に支給されるわけではありません。申請が必要です。年金事務所にて必要書類(戸籍謄本、住民票、年金手帳など)を揃えて手続きします。

また、受給資格者には順位があり、配偶者、子、父母、孫などの順で優先される仕組みになっています。

まとめ:報酬比例部分の理解は将来への備えにつながる

報酬比例部分とは、厚生年金のうち報酬に応じて積み上げられた部分を指し、経過的加算とは異なる制度です。遺族厚生年金ではその報酬比例部分の3/4が支給され、生活の支えになります。

不安な点があれば、最寄りの年金事務所や専門家に早めに相談することをおすすめします。将来に向けた安心は、正しい知識から生まれます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました