借金が膨らんでしまったとき、「返済額を減らしたい」「家族にバレずに何とかしたい」という思いは、多くの方が抱える切実な問題です。中でも「おまとめローンで一時的に月々の返済額を下げ、その後に任意整理で完済額を減らせないか」といったアプローチを検討する人も増えています。この記事では、実際にそのような対応が可能なのか、そしてどのようなリスクや代替手段があるのかを分かりやすく解説します。
おまとめローンとは?返済が楽になる仕組み
おまとめローンとは、複数社からの借入を1本化することで、金利を下げたり、月々の返済額を抑えたりする金融商品です。金利が下がると総支払額が減る可能性もありますが、借入期間が延びることで、逆に返済総額が増えるリスクもある点には注意が必要です。
たとえば、年利18%で5年返済だったものを、年利10%で10年返済にまとめると、月々の支払は軽くなりますが、総額は多くなる可能性があります。これは、「月々楽になる=負担が減る」とは限らないという重要なポイントです。
任意整理とは?利息カットの仕組みと条件
任意整理は、弁護士または司法書士を通じて債権者と交渉し、将来の利息を免除してもらったうえで、元本のみを3~5年程度で分割返済する制度です。裁判所を通さずに行うため、家族に知られにくいメリットがあります。
ただし、借入金額が大きい(たとえば400万円超)場合、利息カットしても月々の返済ができるだけの安定収入が求められます。たとえば月10万円の返済が必要なままであれば、任意整理にしたとしても現実的に完済できるかが重要な判断基準となります。
おまとめローン後に任意整理はできるのか?
結論から言えば、「可能だが制限がある」というのが実情です。おまとめローンは通常、銀行や消費者金融の無担保ローンを利用して1本化されますが、この新たな借入を任意整理しようとすると、以下のような障害があります。
- 借入から一定期間(通常半年~1年)経たないと整理交渉を受け付けてもらえない
- 返済履歴がない・短期間での整理依頼は信用不良とみなされ、交渉不成立となることも
- 一括借入した金融機関が任意整理に応じないケースもある
このため、「おまとめ→任意整理」は理論上は可能でも、実務上はかなりのハードルがあると言えるでしょう。
バレずに借金返済する現実的な方法とは?
家族、とくに親にバレずに借金返済をしたいという希望がある場合は、次のような方法を組み合わせるのが現実的です。
- 給与振込口座の変更:親に管理されていない口座へ給与を振込むよう、職場に相談
- 任意整理を先に行う:債務額が膨らむ前に、利息カットで返済負担を軽減
- 家族にバレずに相談可能な法テラスや弁護士への依頼:無料相談も可能で、状況に応じた助言を得られる
最も避けるべきなのは、「バレたくない」という気持ちだけで先延ばしにして、より返済困難になることです。
実例:おまとめから自己破産に至ったケース
たとえば30代男性Aさんは、5社から合計380万円を借り入れており、おまとめローンで月の返済を7万円に抑えました。しかし2年後、体調不良により収入が減り、結局支払いが滞ってしまいました。Aさんは最終的に任意整理では対応できず、個人再生を選択しました。
このように、将来的なリスクを踏まえ、現段階でできる最善策を選ぶことが重要です。
まとめ:借金問題は一人で悩まず、早期にプロへ相談を
おまとめローンと任意整理は、それぞれに利点がありますが、併用するには複雑な判断とタイミングが求められます。任意整理を検討するなら、まずは弁護士や司法書士へ早めに相談し、自身の返済能力と希望条件に沿った解決方法を導いてもらいましょう。
大切なのは、「隠す」ことではなく「解決する」こと。信頼できる専門家のサポートを受けながら、少しずつでも前向きに進んでいきましょう。
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