自動車事故で全損・過失割合80%のときの保険金支払いとレッカー代の取り扱いとは?

自動車保険

自動車事故で全損となり、自身の過失割合が高い場合、「自動車保険からどれだけ支払われるのか」「レッカー費用はどうなるのか」は多くの方が疑問に思うポイントです。本記事では、時価額・損害額・過失割合による支払額の考え方と、レッカー代の精算方法についてわかりやすく解説します。

全損時の保険金の基本:時価額と損害額の違い

車が全損扱いとなった場合、保険金の上限は通常「車の時価額(市場価格)」となります。事故時の時価額が31万円であれば、それが満額支払いの上限となります。

しかし、修理しない(修理を放棄)場合や見積が時価額以下である場合、「損害額=修理見積額21万円」が支払いの基準になることがあります。このケースでは21万円が支払いのベースになる可能性があります。

過失割合がある場合の支払い額の考え方

相手が被害者で、自分が80%の過失であった場合、自身の保険(対物賠償・車両保険など)から支払われる金額も80%減額されるわけではありません。支払い方法は、「過失割合に応じて相手へ支払う」「自車両の損害には自分の保険(車両保険等)で補償」という形になります。

もし相手の車が全損でレッカー代が発生している場合、相手から請求される損害の一部として、レッカー代も含まれ、あなたの保険から過失分を補填する形で支払われます。

「税カット」とは何か?

「税カット」とは、修理費に消費税が含まれていても、実際に修理を行わない場合(全損や未修理扱い)にはその分を控除して支払う保険ルールです。たとえば損害見積21万円のうち消費税を含む部分が差し引かれ、19万円程度が実際の支払いベースとなるケースもあります。

したがって、時価額31万円>修理見積額21万円(税込)>支払額(税抜換算後)となり、さらにあなたの車が車両保険未加入であれば、過失割合に応じて補償されない部分が残ります。

レッカー代は誰が負担するのか?

相手車両のレッカー代は、その損害の一部とみなされるため、あなたが80%の過失であれば、その金額の80%はあなた側の保険会社が支払います。逆に、あなたの車のレッカー代は、あなた自身が車両保険に加入しているかどうかで負担が異なります。

また、レッカー代が高額になった場合は、合理性や過剰か否かなども判断対象となるため、必ずしも満額が支払われるとは限りません。

よくある誤解と実例

誤解例:「時価額が31万なら必ず31万円がもらえる」と思いがちですが、実際は税カットや過失割合の影響を受け、支払額は大きく変動します。

実例:事故により全損、修理見積21万円、時価額31万円。車両保険未加入で過失80%の場合、相手への支払額の8割+自車の補償無し、という結果になりました。

まとめ

全損事故においては「時価額」「損害見積額」「税カット」「過失割合」「車両保険の有無」など複数要素が絡みます。さらに、相手への賠償内容も含めた処理が必要になるため、自己判断だけではなく保険会社との綿密な確認が重要です。

事故時の負担を最小限にするには、適切な車両保険の加入と、過失リスクへの備えが大切です。

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