転職の合間にアルバイトをしていると、給与明細の中で「所得税しか引かれていない」「住民税が引かれていない」といった疑問を抱くことがあるかもしれません。特に収入が少額の場合、なぜそうなるのかを正しく理解しておくと安心です。
給与明細に住民税が記載されていない理由
アルバイト先での給与明細に住民税が記載されていない場合、最も多い理由は「特別徴収ではなく普通徴収で支払うことになっている」ためです。特別徴収とは勤務先が給与から天引きして住民税を納める方法、普通徴収とは本人が自宅に届く納付書で自分で支払う方法です。
アルバイトや短期勤務の場合、勤務先が住民税の特別徴収義務を負わず、普通徴収扱いとなっていることがよくあります。そのため、給与明細に住民税が記載されず、後日、自治体から納付書が送られてくることになります。
住民税は前年の所得に対して課税される
住民税は原則として、「前年の所得」に基づいて翌年に課税されるため、現在のアルバイト収入に関係なく発生します。
たとえば、前職で総支給28万円の月収が1年間あった場合、その年の年収は約336万円。これを基に翌年6月から翌々年5月までの住民税が課税されるため、アルバイト収入が月額1.8万円であっても住民税の支払いは発生します。
所得税が引かれているのはなぜ?
所得税は「源泉徴収」として毎月の給与に対して概算で徴収されます。アルバイト先では1ヶ月の給与が少なくても、年収見込みがある程度あると想定して5000円程度引かれている場合があります。
ただし、年末調整や確定申告で年収が少ないことが確定すれば、払いすぎた所得税は還付されます。特にアルバイトのみで年収が103万円未満の場合は、確定申告によって全額還付されるケースも多いです。
任意継続保険と国民年金の支払いにも注意
前職の健康保険を任意継続している場合、健康保険料は全額自己負担となり、月額2万円前後になることもあります。加えて国民年金(令和6年度で月額16,980円)も発生するため、税金以外の固定支出も意識しておくことが大切です。
少額の収入であっても、これらの支払いは必須なので、資金計画を立てておくことが重要です。
住民税の通知と納付時期に気をつけよう
住民税の通知は例年6月頃に自治体から届きます。前職の年収に基づいた納付額が記載されているため、「今は稼いでいないのに税金が高い」と驚くかもしれません。
一括払いが難しい場合、市区町村役場に相談して分割払いや延納の申請を行うことも可能です。早めに相談することが安心につながります。
まとめ:明細に住民税がなくても油断せず、納付時期に備えて
アルバイト収入が少額であっても、前年の収入に基づいて住民税は課税されます。給与明細に記載がなくても、6月以降に納付書が届く可能性が高いため、支払いの準備はしておくと安心です。
所得税はその場で引かれ、住民税は後から請求される仕組みなので、それぞれのタイミングと根拠を知っておくと混乱せずに対応できます。
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